コラム

 公開日: 2016-06-07  最終更新日: 2016-06-09

熊本地震の教訓・・・繰り返す地震には制震

倉敷市 黒川浩行

 熊本地震で震度7が2回来て最新の建築基準法に基づいて建てられた木造住宅でも全壊と判定された住宅がありました。自然災害は人間の想定を超えます。震度7の地震が2回もくることなど誰も想像もしなかったようです。当然なことだと思われます。テレビで地震後に屋内実験で最新の建築基準法に基づいて建てられた木造住宅とそうでない木造住宅に震度7の地震を与えると最新の建築基準法に基づかない木造住宅は倒壊するが、最新の建築基準法に基づいて建てられた木造住宅は何とか持ちこたえられるが、2回目の震度7を与えると倒壊してしてしまう放送を見ました。建築基準法通り建てても倒壊することがあるようです。
 しかし、熊本では同じ地区にあり、2回の震度7を経験した最新の建築基準法に基づいた木造住宅でも全壊の住宅とそれ程被害を受けていない住宅があるようです。施工方法とか筋交いの入れ方に問題あった可能性もあります。今後、調査結果が発表されると思います。

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建築基準法で耐震に関する改正は、過去2回大きく改正されました。

■1981年  (昭和56年)
建築基準法施行令大改正 新耐震設計基準
1978年(昭和53年)の宮城県沖地震後、耐震設計法が抜本的に見直され耐震設計基準が大幅に改正された。

現在の新耐震設計基準が誕生した。
この、新耐震設計基準による建物は、阪神大震災においても被害は少なかったとされている。
これを境に、「1981年昭和56年以前の耐震基準の建物」や「1981年昭和56年以降の新耐震基準による建物」といった表現がされるようになる。

■2000年  (平成12年)
木造住宅においては
壁量規定の見直しが行われた。
構造用合板やせっこうボード等の面材を張った壁などが追加された。
床面積あたりの必要壁長さや、軸組の種類・倍率が改定された。

1)地耐力に応じて基礎を特定。地盤調査が事実上義務化に。(施行令38条)
 改正の要点
  ・地耐力に応じた基礎構造が規定され、地耐力の調査が事実上義務化となる。
  ・地耐力20kN未満・・・基礎杭
       20~30kN・・・基礎杭またはベタ基礎
       30kN以上・・・布基礎も可能

2)構造材とその場所に応じて継手・仕口の仕様を特定。(施行令第47条 告示1460号)
 改正の要点
  ・筋かいの端部と耐力壁の脇の柱頭・柱脚の仕様が明確になる。
  ・壁倍率の高い壁の端部や出隅などの柱脚ではホールダウン金物が必須になる。

3)耐力壁の配置にバランス計算が必要となる。(簡易計算、もしくは偏心率計算 (施行令第46条 告示1352号))
 改正の要点
  ・壁配置の簡易計算(四分割法、壁量充足率・壁率比)、もしくは、偏心率の計算が必要となる。
  ・仕様規定に沿って設計する場合、壁配置の簡易計算を基本とする。
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 岡山県は比較的地震が少なく大きな災害には過去見舞われてはいないが、災害は人間の想像を超えて発生します。日本は火山でできたような島国で地下のプレートが複雑にからみあう日本の一部である以上地震が起こる可能性があります。建築基準法の耐震の考え方は頑丈な建物を作ることを基本としています。地震の力を弱めたり吸収したりするような考え方はありません。
 接合部分も金物で確実に接合されますが、しかし、清水寺などの昔に建てられた寺院に釘などの金物は1本も使われてはいませんがどうなっているのでしょう。地震の力を弱めたり吸収するようになっているのです。ゆるい接合部になっていて地震の揺れを逃がしたり、熱エネルギーに替えたりしているのです。柔よく剛を制する構造になっています。日本の大工は世界一優秀といわれますが、地震国で培った技術には、すごいものがあります。
 地震に対して、耐震・制震・免震の考え方があります。建築基準法では、耐震の考えが重要視されてきました。しかし、大きな地震でダメージを受けると繰り返しくる余震などには対応しにくく、熊本のように本震が後からやってきて震度7が2回も来るなどということには対応しづらいのが現状です。清水寺などは制震に近い構造になっていると考えられます。

■耐震
壁を増やしたり、固くしたりして地震の揺れに『耐える』

■制震
壁に入った地震エネルギーを『吸収』して揺れを抑える

■免震
建物の下に装置を設置し、地面の揺れを建物に『伝えない』

制震や免震は揺れを小さくします。制震では50%程度、免震では90%程度も軽減されます。揺れが小さいということはダメージも小さくなり繰り返しくる余震にも対応できます。しかし、免震は費用がかかりすぎ、軟弱地盤には適さないという欠点があります。費用や、軟弱地盤にも対応できる制震が新築住宅やリフォームに採用されることが増えてくると思われます。
 また、熊本城の石垣ですが、加藤清正が築城したときには全て大きい石と小さい石が混在する野積だったようですがその後、崩れた部分を修復したときに綺麗な形に整形した石を積み上げたようです。今回崩れた箇所は綺麗に修復した箇所のようです。小さな石や大きな石がある多様な形状のほうが強いようです。地震のエネルギーを逃がしたり弱くしたりできるようになっています。建物も同じで頑丈さだけでなく、しなやかさも必要なようです。
 次回コラムで制震の商品を紹介します。

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東京の設計事務所勤務を経て、個人事務所を設立。その間「スカイプラザ町田」や湯郷温泉「錦園」をはじめ、ホテルや個人住宅の設計を手掛ける。西日本放送の「アイラブ土曜日」に設計監理の2つの住宅が放送された。
現在㈱ツナシマでリフォームを中心に民間建築を担当
一級建築士、福祉住環境コーディネーター2級
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