コラム

2010-11-21

中学生の学習を支えるもの



「知識」とは学ぶことにより獲得できるものであるが、その学びとは「意識したもの」「無
意識で得たもの」「苦痛を伴うもの」「知的好奇心というある種の快楽を伴うもの」「強制さ
れるべきもの」「自発的なもの」など、切り口により多種に分類できうるものである。
これに学ぶ側の気質を加味するとあまりに複雑となり、「絶対的優位な学習法」なるものが
あたかも存在するかのような錯覚・幻想を生むこととなる。 =そんなものはない=

が、しかし、中学生の学びを「苦痛」にしないことはできるのではないか。

新しい知識を取得しようとする際、知識取得のハードルが高ければ高いほど苦痛を生む。
よって、そのハードルが下がっている状態を平生から意識的につくる作業をしておけばよ
いのである。

どのような知識でも、必ず有機的なつながりを持って存在している。
A,B,C,Dを前提としてEを新しく学ぶ時、既取得知識としてA,B,C,Dを持つ子供にとって
知識Eを学ぶことは高いハードルとはならないが、持たない子供にとっては知識Eの理解
はかなり困難であり、時間はかかっても順にAから始めるか、または強引に知識Eの丸覚
えとなりかねない。得点的には変わらないのかもしれないが、当然、得心したという実感
も伴わず、本質的な理解でもなく、高校生以降に通用する知識ともならない。
ここでいう前提知識A~Dとは、系統立てて知識Eを得るために、その前段階として知識E
と同一直線上に配置されたものを指すのではなく、全く別次元から得た、つながりどころ
を探して頭の中をフワフワと彷徨っている知識のことである。これを「下地」と呼ぶので
あれば、この「下地」をたくさん持つ子供が、中高一連の系統立てた本格的な知識習得を
始めるにあたり、その一つ一つに対し、さして苦痛を感じず、どちらかと言えば知的好奇
心を満足させることをベースに学び進むことができるのである。
例えば、中学社会「気候を決定するのは緯度だけではない」という授業のくだり。
講師:気候には海流も関係あるんだ。
生徒:海流?
講師:日本近海には温かい海の流れと冷たい海の流れがあるじゃない。
   その2つがぶつかり合ったところはたくさんの魚がとれるんで
しょ?
生徒:鮎じゃ!
    講師:鮎は川魚じゃ!(怒)
生徒:川魚??
笑えない話だ。鮎が川魚であることは果たして「学び」で得る知識であろうか?
さて、本題。
では、どのようにして小学高学年~中学・高校生に対し、保護者がその下地を与えてあげ
られるのか。直接教えてしまえば、それは「学び」になり、「下地」とは言えない。
ここで登場するのが、米・心理学者ギブソンの提唱する概念:アフォーダンス。
   アフォーダンスとは・・・
動物(有機体)に対する「刺激」という従来の知覚心理学の概念とは異なり、環境に
実在する動物(有機体)がその生活する環境を探索することによって獲得することが
できる意味/価値であると定義される。

本文主旨に従い、具体化すると、「下地を養う環境を保護者自身が実践すること」。
もっと言うと、
 本・新聞を読む空間や環境を日常生活の中にきちんと組み込み、実践すること。
そのような生活環境を持つ保護者の子供は、それが当たり前のことと自覚するのである。
子供を育てていくことは大変なことである。子供が最も影響を受け、
処々を学びとる人間、それが親(保護者)と呼ばれる人だ。保護者
は下地を養う環境を自ら示すことにより、子供にそれを学ばせね
ばならない。

四半世紀以上のキャリアを持つ私の中で、100%の法則がいくつかあり、そのひとつに、
  「新聞を読んでいる子供は理解する力が強い」
がある。

なぜなら、新聞は「下地」の宝庫だから。
/学匠 国広峰人


**小学生をお持ちの保護者の方を対象に勉強会を
  予定しています。(12月中旬頃)
  一般参加も可能です。詳細はイベント案内にて
  お知らせします。

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