音楽を「魂の薬」として生きる力に繋げるプロ
コラム
公開日: 2013-02-23 最終更新日: 2016-01-24
月刊ショパン連載:「大人ピアノ指導のコツ」 第1回 高齢化社会ニーズ・顧客は何を求めているの?
今回の月刊ショパン3月号「 大人ピアノ指導 」 では、
『 その3 学びたくなるような教室づくり 』 と題して、執筆させていただきました。
宜しかったら、ご覧下さいね。
ところで、
『 その1 高齢化社会のニーズ 顧客は何を求めているの? 』 についてですが、
お蔭様で、とても大きな反響をいただきました。
ありがとうございます。
ではさらに、もう少し内容を噛み砕いて、
『 高齢化社会のニーズ 』 をお伝えさせていただきますね。
ご存じの通り、今は、超高齢化社会です。
総務省統計局によれば、
現在、 「 65歳以上は、4人に1人の割合 」 になっているそうです。
ピアノの先生も、それは痛感されています。
『 一生懸命に指導していれば、そのうち、だんだん生徒が集まる 』
という法則は、完全に崩れてきている時代です。
子供は少なくなっていますし、自分も少しずつ年齢を重ねています。
ですから多くの先生方は、こう考えます。
「 午前中、または、午後の早い時間帯で、
大人を対象に、ピアノを教えることが出来ないかしら・・? 」 と。
ごもっともな、お気持ちです。
私も以前、同じことを考えていました。
同時に、
心の片隅ではありますが、ちょっと本音も隠しています。
『 出来れば、自宅でレッスンしたい。 』
『 子供指導のように、1対1のレッスンで。 』
『 どこかに、熱心にピアノを学びたいと望まれる、大人生徒さんは居ないかしら? 』
と。
子供ピアノ指導の経験を、しっかりと積み重ねている先生方なのですから、
そう願うのも、無理はありません。
でも、蓋を開けてみると、
『 自宅 』 に来てくれる大人の生徒さんは、
子供生徒ほど、多くはありません。
これが 現 実 です。
自分の地域だけ、少ないのではなく、
どの地域でも同じです。
では、大人の生徒さん(特に60歳以上の、中高年)は、
ピアノを弾きたくないのでしょうか?
いえいえ!!
とんでもありません!!
高度経済成長の時代、一生懸命に仕事をしていた大人生徒さん。
子供の頃から、憧れているピアノ。
娘に習わせた人々の多くは、こう言います。
「 実は、私が習いたかったのよ。 」 と。
心にも、脳にも良い、ピアノ。
趣味として、多くの人々がピアノを、楽しみたいと望まれています。
でも、ここからが問題。
『 大人のピアノは、ニーズが多様化 』 しています 。
これを、多くのピアノの先生は、本当の意味で理解されていない気がします。
結果から、お伝えします。
自宅教室に足を運んで、学びたいと願う大人生徒さんは、少ないです。
そして、大半の、大人の生徒さんは、
『 地域の皆様と交流しながら、又は、同世代の皆様と交流しながら、
学びたい 』 と願っています。
これが、 『 高齢化社会のニーズ 』 です。
彼らの年代は、ダンス・絵手紙・水泳・合唱・詩吟・・・と、多忙です。
月曜日の午前中は、○○。 午後は、○○。
火曜日の午前中は、○○。 と、だいたい月2回のペースで、
スケジュールが決まっています。
多くの場合、それは 『 地域の施設 』 で行われます。
駐車場の便利が良い場所ですし、
『 地域の施設 』 では、様々な人に出逢えます。
彼らは、 『 広く・長く・学びたい 』 と願っています。
しかも、とても真剣に、それに向かって学びます。
多くの場合、ピアノ教室は、個人宅です。
そして、大人の生徒さんの多くは、主婦です。
主婦は、他のお宅に御邪魔する事を、遠慮します。
掃除やお茶を出すこと。。
その他いろいろ。。
家を守ってきた主婦だからこそ、気兼ねします。
そういう意味では、
『 地域の施設 』・『 カルチャー教室 』・『 楽器店 』
のほうが、よほど気楽です。
ピアノ講師は、本当の意味で、
『 大人のピアノは、ニーズが多様化している 』 ことを、
熟知しておく必要がありますね。
ちょっと、このお話を、
琵琶湖の風景を見ながら、続けてみたいと思います。
ここは、琵琶湖のほとりです。
先日、滋賀リビング新聞社でセミナーを行い、
その帰りに、ここへ立ち寄りました。
いいお天気です。
ここからは、比叡山や比良山が、見えます。
見渡す限り、素敵な湖が広がります。
例えば、この湖に面して、
端っこに、 『 小さな小屋 』 があると想像してみて下さい。
その 『 小屋 』 では、稚魚を育てています。
Aさんは、その 『 小屋 』 で稚魚に、御飯(エサ)をあげるのが、大好きです。
稚魚の成長に合わせて、Aさんは、とても上手に御飯をあげます。
そして、何年かすると、稚魚は立派な大人になって、
この広い湖に旅立ちます。
Aさんは、その旅立ちを、誇らしく見送ります。
そして、再び、
稚魚に御飯をあげることを、生き甲斐と感じます。
ところが、だんだん、稚魚が少なくなってきました。
Aさんは、 「 御飯を、他の魚にもあげたい! 」 と思い、
大きな魚(しかも60年・70年成育している魚)が、
『 小屋 』 に来るのを待ちます。
嬉しいことに、やっと1匹。
大きな魚が、『 小屋 』 にやってきました。
でも大きな魚の多くは、 『 小屋 』 に来ません。
Aさんは、がっかりします。
Aさんは考えます。
「 大きな魚は、御飯を食べないの? 」
でも、それは違うことを、
皆様ならお解りですよね?
大きな魚は、それぞれの生態系があり、
集まる場所が、ある程度決まっています。
御飯は大好きなのですが、 『 小屋 』 は、入り難いのです。
。。。 ここまで、お話すると、何をお伝えしているのか、
きっと、お解り下さいますね。
『 小屋 』 とは、自宅音楽教室です。
稚魚は、子供。 御飯は、音楽・メソッドです。
稚魚(子供)は、ある程度守られた空間で、
じっくりと育てるように、ご飯(音楽・メソッド)をお伝えする必要があります。
しかし、60年・70年成育している大きな魚(大人)は、
それぞれに、生活パターンが確立されており、
多くの場合、群れをなして、ある一定の場所へ集まります。
勿論、ご飯(メソッド)の食べ方も、目的も、稚魚とは異なります。
ですから、私は講師陣に、
こうお伝えしています。
「 幅広い年代に、
ご飯をあげる仕事を望まれるのであれば、
『 小屋 』 だけでなく、
広い湖へ出向いて行く必要があります 」 と。
まずは、湖がどんな場所か。
大きな魚は、どこへ集まっているのか。
何を求めているのか。
どれほど多くの魚が、存在するのか。
まず、知る必要があります。 ( 知識 )
そして、 『 小屋 』 から出た、ほんの一歩、外で、
思いもかけない、大きな湖・大きな魚が、
沢山存在することを、
目で見て知る必要があります。 ( 体感 )
ステップは、それからです。
私は、年代に関係なく、多くの人々に、
御飯(音楽)を楽しんでいただきたいと願っています。
狭い価値観は、大きな流れを見落とす原因となります。
まずは、幅広い情報を得ることです。
新しい情報は、出逢いを生みます。
新しい出逢いは、新しい価値観を生みます。
新し価値観は、新しい行動力を生みます。
『 高齢化社会において、
大人のピアノは、ニーズが多様化している 』 ことを覚えておくと良いですね。
共に、歩んでまいりましょう!
近くに居る、大切な人々の笑顔と共に!
「らくらくピアノ認定講師養成講座」のお問合わせ先は、コチラ!
こちらの関連するコラムもお読みください。
- 月刊ショパン連載:「大人ピアノ指導のコツ」 第5回(その1) 集客に繋がる地域密着型の音楽教室2013-05-06
- 月刊ショパン連載: 「大人ピアノ指導のコツ」 第9回 教室案内チラシは、必需品2014-03-05
- 月刊ショパン連載:「大人ピアノ指導のコツ」 第4回 弾いて・歌って・学べる総合音楽教室 2013-04-30
- 月刊ショパン連載: 「大人ピアノ指導のコツ」 第8回 心を掴む、体験レッスン会話術2013-11-25
- 月刊ショパン連載:「大人ピアノ指導のコツ」 第10回・後半 性格に合わせた指導法 (女性編)2014-04-02
最近投稿されたコラムを読む
- 株式会社クレディセゾン、UCカード・セゾンカード会員誌に掲載されました! 2016-09-24
- 経済産業省近畿経済産業局主催:女性起業家応援プロジェクト『LED関西」 5社からサポート賞を受賞 2016-01-24
- DVD注文・予約開始!『講師目標を実現化させる3要素 仕事の秘訣vol.2』 講演:光畑浩美 2016-01-20
- 第6回「らくらくピアノフェスティバル in 岡山」が開催されました! 2015-12-03
- 2日間で、約1,000名がピアノ体験会に参加!業界関係者も驚く、長蛇の列の秘訣とは? 2015-09-17
セミナー・イベント
-
新グレード 『 らくらくピアノ®グレード認定47 』の開催。
開催日: 2017-03-01 ~2018-05-31 -
ピアノ初心者も歓迎!日本ピアノグレード認定協会の開催。
開催日: 2010-07-01 ~2010-11-20 -
みんなが主役! 「 らくらくピアノⓇ 」 コンサート
開催日: 2010-12-05 -
世界のピアノ名曲 音色よりどりコンサート
開催日: 2011-03-17
動画で活動紹介・法人概要

■■ 動画で、活動内容をご紹介しています! ■■ https://youtu.be/QkHpyLuVoZU■法人概要■【 設立 】2011年12月7日 (2006年10月結成)【...
プロへのみんなの声
このプロの紹介記事

『気軽・喜び・集いの音楽を!』を提供する「らくらくピアノ」(1/3)
「高齢社会だからこそ〈気軽・喜び・集い〉の音楽を届けたい!」――そんな願いを込めて、光畑浩美さんが考案したのが「らくらくピアノ®」。音階を指番号に置き換えることで、楽譜が読めなくても大丈夫、ピアノ未経験でも大丈夫、初日から両手で演奏できる...
プロのおすすめコラム
› 新着記事一覧
経済産業省近畿経済産業局主催:女性起業家応援プロジェクト『LED関西」 5社からサポート賞を受賞

経済産業省近畿経済産業局主催:女性起業家応援プロジェクト「LED関西」。『5秒で世界が広がる らくらくピ...
DVD注文・予約開始!『講師目標を実現化させる3要素 仕事の秘訣vol.2』 講演:光畑浩美

■ DVD注文・予約開始!『 講師目標を実現化させる3要素 仕事の秘訣vol.2 』 講演:光畑 浩美おかげ...
人気のコラムTOP5
コラムのテーマ一覧
スマホで見る
このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。
バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。