コラム

 公開日: 2015-07-07 

マナーうんちく物語999《「七夕ロマン」と「小暑」と「クールアースデー」》

何時の時代も、人々は様々な思いで夜空を見上げたのでしょうね。

《目をくばる 比大水の 天の川》(正岡子規)

日頃は何かと忙しくて、のんびり夜空を見上げることは無いと思いますが、今夜は晴れていたら、是非夜空を見上げて下さい。空気のきれいな地域では、空から降ってくるほどの満天の星が見えるはずです。

7月7日は七夕。織姫と彦星を隔てる川で、一年にたった一度の逢瀬を楽しむことができる日と認識されていますが、幾つもの言い伝えがあります。

ところで七夕は「たなばた」と読みますが、本来は5節句の一つで「しちせき」と読んだのをご存知でしょうか?

昔、昔の話です。穢れていない娘が神聖な織物をおって神にささげて厄除祈願をするわけですが、この娘のことを棚織津女(たなばたつめ)といい、七夕を「タナバタ」と読むもとになったと言われています。

さらにこの風習は日本の盂蘭盆会(うらぼんえ)の儀式と融合し、それに彦星と織姫の非恋の伝説や、女子の文字や芸事の上達を願う儀式が加味され、現在のような祭りとなって広く庶民に伝わったとされています。

江戸時代になると、子どもは学問に勤しむようになります。
武家の子は藩校へ、庶民の子は寺子屋に通い、読み書きの練習をするわけですが、七夕の日に、作文や文字の上達を祈って、笹竹に短冊を飾りつける風習が生まれたわけです。

飾り付けは7月6日の夜に行いますが、七夕祭りの翌日には、祭りで使用した笹飾りを、川に流しけがれを払います。但し最近ではゴミ処理等の問題がありますから、地域のしきたりに従って下さい。

様々な祭りは、日常生活の中で大切な節目になる行事ですから、祭りが終われば、けじめをつけることが大切です。

ちみに、「冠婚葬祭」の「祭」は、正月から大みそかまでの主だった年中行事ですが、特に七夕は子どもになじみの深い行事です。

さて、このコラムでも《歳時記のマナー》のカテゴリーで、多様な季節の話題多く発信していますが、日本には神道、仏教、儒教などの思想が混然一体となり、農耕を中心とした歳時記が沢山あります。

また、7月7日は二十四節季の一つ「小暑」です。
「本格的な夏が来ますよ!」と言う意味で、この日から暑中見舞いを出しますが、まだ梅雨が明けていませんので、梅雨明けから出されたら良いでしょう。

そして7月7日は「クールアースデー」でもあります。
夜電気を消して電力の消費を抑制し、地球の環境について考える日です。

ライトダウンして、天の川を見上げながら地球を大切にしようとする試みですが、その日限りのイベントでは寂しいですね。

環境問題に関心を寄せるなら、先ず自国の自然について理解することが大切です。そして、自然に対して素敵なマナーを発揮することです。

日本の四季の事、二十四節季の事、七十二候のことも併せて理解して頂きたいものです。

個人的には、クールビズやクールアースデー等と言う横文字より、二十四節季や七十二候に関心を寄せ、日本の自然を大切にして頂きたいと思うわけです。

加えて「原発」問題も大切です。
経済優先か、自然をとるか?
難しい問題ですが、避けては通れません。

今日の七夕は残念ながら全国的に雨模様で、彦星と織姫の逢瀬を心配する人も多いと思います。でもご安心ください。カササギという鳥達がやって来て、互いに羽を広げあって二人の橋渡ししてくれます。

先人は都合のよい物語を作りましたね。きっと心の優しいロマンチストだったのでしょう。私たちもこうありたいですね。

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マナー講師 平松幹夫

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