コラム

 公開日: 2015-06-26 

マナーうんちく話991《雨の日の心和む話①「信言は美ならず」》

6月の終わりから7月にかけては、一年で一番雨が多い時節です。

蒸し蒸しするし、洗濯物は乾かないし、空はうっとうしいし、なにかと気分が暗くなりがちですが、こんな時は思い切って「晴耕雨読」と洒落てみるのもお勧めです。

旬の花を部屋に飾り、本を読み、音楽を鑑賞するのも心のメンテナンスになります。また、先人の名言に触れることもお勧めです。

そこで今回は、老子の「信言は美ならず、美言は信ならず」という言葉をお届けします。

「信言」とは真実味の在る言葉です。
「美言」とは飾りけの在る言葉です。

つまり「真実味の在る言葉は飾り気がなく、美辞麗句のように飾り付けられた言葉には真実味がない」という意味です。

いい人は口が立たない、しかし口が立つ人は本当の意味でいい人ではないと言う意味で、博学を鼻に欠けるのはお勧めできません。

ちなみにマナーも教養の一種だと思いますが、いくら多彩なマナーに精通しているとはいえ、誇張しないで、さりげなく発揮したいものですね。

また、マナーを心得ていない人にでも、自然に合わすよう心がけて参りたいものです。

ところで「美言」の一種にお世辞があります。

「称賛」と「お世辞」の違いは、それを発することにより見返りを求めるか否かですが、歯の浮くようなお世辞はともかく、言われた人が気分良くなるようなお世辞は、言えないより、言えた方がはるかにいいと思うわけです。

言葉の重みを理解している人や、教養の在る人は本質を明瞭簡潔に表現することが出来ます。

老子は言葉の重みについて繰り返し説いていますが、私のような凡人には難しいと思うことが多々あります。

加えて、飾った言葉には真実味が無く、言葉数が多すぎるのも自然ではないと説いていますが、実際問題として、「信言」と「美言」を明確に聞き分けるのも至難の業ではないかと感じます。

私もそうですが、お世辞を言われると「ついその気になってしまう」ことはありませんか?

普通のお世辞は、そんなに害に繋がらないからいいのですが・・・。

しかし、結婚話や保証人の話になると要注意です。
こんな時は今日のコラムを頭に描いて頂きたいところです。

そして、いくら美しく言葉を飾っても「心」がなければ、相手の心には届きません。

マナーもしかりで、先ずは「心ありき」です。
いくら美しく形式にこだわっても、心が無いと通じないと言うことです。

同時に、これを見極める目も養って頂きたいものです。
苦労をしないとモノにならないと言うことです。

人の生き方と良く似ています。
格好ばかり付けて生きている人より、当たり前のことを、当たり前のようにシンプルにやって生きることが、本来有るべき姿かもしれませんね。

2000年前以上前に説かれた言葉が、いまだに脈々と語り伝えられていると言うことは、この言葉に普遍的な価値があるからです。

つまり、時代を超えて私たちに、人生をより良く生きるヒントや気付きを与えてくれる言葉です。
嫌われるのを承知の上で、苦言を呈してくれる人を大切にして下さいね。

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マナー講師 平松幹夫

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