コラム

 公開日: 2015-01-25 

マナーうんちく話878《春隣り、春の来ない冬はない》

まさに一年で最も寒い時期ですが、日本の最低気温をご存知でしょうか?

1902年1月25日に北海道上川地方で観察された「-41℃」だと言われています。
ちなみに、世界の最低気温は南極で観測された「-89℃」だそうです。

共に想像を絶する気温ですから、余程の事がない限り体感することは無いようですね。

しかし、冷たい氷を突き抜けて「蕗の薹」や「福寿草」が旬を迎えています。蕗の薹(ふきのとう)のほろ苦い味はたまりませんが、福寿草も大変縁起が良い花ですから心が躍ります。

冬に花を咲かせるので、「新年を愛でる花」「元日草」「春告げ花」として、正月飾りとして人気を博していますが、その頃の福寿草は殆ど温室育ちです。

名前の通り、大変縁起の良い花で、しかも可愛い黄色の花を咲かせるので、春一番に愛でる幸福草として重宝されるのが頷けますね。

「福寿」とは「福」と「寿」、すなわち「幸福」と「長寿」の意味で、「南天」と合わせて使用され、「難が転じて福となす」になるわけですね。

学名は「adonis(アドニス)」ですが、これはギリシャ神話に由来します。
愛と美の女神に愛されたアドニスという美少年が、狩りに行った際、猪につかれて出血多量で亡くなりました。

福寿草はその時流れた血から生まれたと言われています。
そのせいでしょうか?表面は美しくても実は毒草なのです。
蕗の薹と見かけが似ているので、間違って食べないでくださいね。

また、一年で最も寒い時期の水は、最も澄んでいて、清らかだとされています。だから、この時期の水は腐らないと言われています。

この時期にしっかり水を蓄えて置けばいいわけですね。
さらに、「餅」を搗いたり、「酒」や「味噌」のし込みが行われます。

本当に寒さが厳しくて一年のどん底の時期ですが、先人は、それに、ただ手をこまねいてきたわけではないのです。

それを逆手にとって、この時期ならではの特性を活かして、出来ることを色々していたのですね。

厳寒でも、季節は春へとなびく時期だからこそ、出来ることは最大限やりつくして、基盤を作る。

長い人生でも同じではないでしょう。
辛い時でも努力を惜しまないことが、幸福の人生を獲得する力になるのかもしれませんね。

寒さが厳しい時ですが、日差しは畳の目一つ分ずつ着実に伸びています。

ところで、この時期の季語に「春隣り」があります。
「春がそこまでやって来た」という意味の冬の季語です。

花咲く春になったら「どんなことをしようか?」。
楽しい思いを頭に描き、前向きに、元気でお過ごし下さい。

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