コラム

 公開日: 2014-11-19 

マナーうんちく話833《「返り花」と「遊女」》

初冬の季語に、「小春日和(こはるびより)」があります。
晩秋から初冬にかけて続く、春のように穏やかで暖かい日のことです。

「小春」とは陰暦10月(現在の11月頃)のことですが、春の気候に良く似ているから小春日和と言います。

これから本格的な寒さを迎えるわけですが、その前のつかの間の穏やかで暖かい晴れの日で、欧米でも多様な名前があります。

アメリカでは「インディアンサマー」と呼ばれていますが、ドイツでは「老婦人の夏」と呼ばれています。
お年寄りがのんびりとベランダや公園のベンチでくつろいでいる姿がイメージできますが、夏は日本のように厳しい気候ではないのでしょうね。

そして小春日和が続くと花が、春が来たと勘違いして、花を咲かせることがあります。これを「返り花」と言います。

この頃の季節の花としては、正月に飾る花として重宝されている水仙や、鮮やかなピンクの花を咲かせる山茶花(さざんか)がありますが、それらは違います。

本来なら春に咲く「桜」や「タンポポ」等が、穏やかで暖かい日が続くので、あたかも春になったと勘違いして今時に咲くことです。

大変微笑ましい姿ですね。
そしてネーミングも素敵です。

しかし、「返り花」には、これ以外に悲しい意味も含まれています。
日本には、美しい女性や遊女が花に例えられることは多々ありますが、「返り花」には、折角身請けされて自由の身になった遊女が、再び遊郭に勤めに出る意味もあります。
前者と異なり、儚くて、寂しいイメージですね。

ちなみに、「遊女」とは性的なサービスをほどこし、お客さんをもてなすことを仕事にしている人をさす場合が多いようですが、古い歴史を有します。

もともとは、神様や仏様の前で技芸を奉納する女性だったそうですが、特定の寺や神社に属さない女性、あるいは決まった住居を持たない女性は、踊りや歌を披露しながら旅をするわけですね。

つまり「旅する女」と言う意味で遊女(あそびめ・ゆうじょ)になったとされています。

踊りや歌を歌ったり、売春をしながら生計を立てていたわけですが、当時の日本は今のように貞操観念も薄く、「売春」という感覚や言葉自体が無かったのではないでしょうか?

その後、遊女の名前や形態も多様化していくわけですが、近世になって遊郭が登場し、そこで一括管理されることになります。

時代劇によく出て来る「吉原遊郭」は有名ですが、これは江戸幕府の公認を得た遊郭で、当時の男性の最高の社交場であったようです。

ただ、当時の遊郭で働いていた女性の多くは、貧乏に明け暮れていた家計を助けるために、自らを売ってお金を都合した女性が多く、その意味では大変な親孝行であったと思われます。

加えて遊女にはランクがあり、美貌と優秀な頭脳を兼ね備え、理想の女を演じることが出来ればかなりの収入になったようです。

ところで「児童労働」という言葉をご存知でしょうか。
児童による労働のことで、法律で禁止されている18歳未満の有害で危険な労働や、義務教育を妨げる労働のことです。

今、地球上には約71億人が生活をしていますが、児童労働を余儀なくされている子どもは2億人近くいると言われ、中には「児童売春」を余儀なくされる子や「子ども兵士」もいます。また、13歳位で結婚そして出産するので、恋も愛も知らない子ども(お母さん)も沢山います。

豊かで、平和で、美しい言葉がある国と時代に生まれたことに感謝・感謝です。

この記事を書いたプロ

人づくり、生きがいづくりプロジェクトの岡山ハッピーコミュニケーション

マナー講師 平松幹夫

岡山県和気郡和気町父井原824番地 [地図]
TEL:090-4573-1062

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

9

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
参加者の声

【和気町協働事業「バラ色未来創造大学」に参加された方の声(アンケートから抜粋)●講座に参加するたびに若返る気がします。この年で新たな生きがいができ大変うれしい...

講演会・研修会メニュー

【女性部・女性会向け厳選講座】商工会、法人会、各種団体女性部から婦人会、地域、企業、サークルまで幅広く対応できる人気講座で、人生を前向きに生き、身も心も精...

 
このプロの紹介記事
マナーと自分磨きを指南する平松幹夫さん

美しいマナーを身につけてハッピーな人生を!(1/3)

「マナーは相手への思いやりを表現するためのスキル。形だけでなく、そこに込められた意味を理解したうえで身に付けることで、人間関係を良好にし、心の豊かさを取り戻せると思うのです」と、穏やかな物腰で語りかける平松幹夫さん。マナー講師、講演会講師と...

平松幹夫プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

講演・セミナーが大好評!老若男女をキラキラ魅せるマナー講師

所属 : 人づくり、生きがいづくりプロジェクトの岡山ハッピーコミュニケーション
住所 : 岡山県和気郡和気町父井原824番地 [地図]
TEL : 090-4573-1062

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

090-4573-1062

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

平松幹夫(ひらまつみきお)

人づくり、生きがいづくりプロジェクトの岡山ハッピーコミュニケーション

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
マナーうんちく話1430《中高年に課せられた高度なマナーとは?》

日本では「春は嵐と共にやってくる」といわれますが、西洋では「春はライオンと共にやってくる」と言われます。...

[ 人間関係を良好にするマナー ]

マナーうんちく話1429《「弊社」と「当社」、好感をもたれるのはどちら?》

和風月名では3月は「弥生」ですが、他にも「雛月」「桃見月」「花見月」そして「夢見月」があります。いずれ...

[ ビジネスマナー ]

マナーうんちく話1428《ファックスを送信した。この時確認の電話は?》

春の陽気に誘われ虫達が地上に出て活動する時で万物が躍動する時です。姿勢を正し、心機一転希望のスタートを切...

[ 日常生活におけるマナー ]

マナーうんちくばなし1427《お彼岸にはなぜお墓参りをするの?》

梅がそろそろ見納めになりましたが、桜はまだ早い。こんな時に目を楽しませてくれるのが桃です。気温が上昇...

[ 歳時記のマナー ]

マナーうんちく話1426《臨機応変が大切!「視線」のマナー》

豪華な部屋に通されて部屋中をキョロキョロ見つめた記憶はありませんか?人と会った時に、その人の顔をじろじろ...

[ 人間関係を良好にするマナー ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ