コラム

 公開日: 2014-11-03 

マナーうんちく話825《大切にしたい自国の食文化とテーブルマナー》

ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に和食が登録されて一年になろうとしています。

富士山に引き続き日本固有の文化が世界に認められた事は大変素晴らしいことで、米のご飯を中心にした伝統的な「一汁三菜」の和食文化を改めて見直したいものです。

加えて、日本が世界に誇る「和の礼儀作法」や「和食のマナー」にもさらなる関心を深めて頂きたいものです。

人や動物が生きて行くためには、食べることと飲むことは必要不可欠ですが、人と動物の違いは、人は道具を使って、調理して食べると言うことです。

また、食べる時にも様々な決まり事を作りました。
皆で食事をする時には、安心して、安全に、さらに限りある食べ物を、老いも若きも、男も女も平等に分けて食べることが大切です。

また、黙々とがむしゃらに食するのではなく、皆が和気あいあいに、和やかな雰囲気で食べることが出来なければいけません。
これがテーブルマナーの原点で、恐らく世界共通だと思います。

さらに時代がすすむにつれ、食べると言う行為をより快適にするために、そしてより品格の伴うものにするために、長い時間かけて編み出されたものが現在のテーブルマナーです。

「生きることは食べること」ですが、より良く食べると言うことは、より良く生きると言うことに繋がるわけですね。

但し、テーブルマナーはその国々の食べ物や使用する道具、さらに国民性・宗教・文化・気候風土などにより大きく異なります。

特に食べ物、宗教、使用する道具による違いは大きいです。
ちなみに、人が食べる時に使用する道具は大きく分けて三種類あり、これを「世界三大食法」と言います。

中でも一番多いとされるのは手で食べる「手食」で、アフリカ、中近東、東南アジア等にみられます。

神様から与えられた神聖な食べ物は、清浄とされる右手で食べるべきとする食べ方です。

次にヨーロッパ、アメリカ、オセアニア、ロシアなどのフォーク・ナイフ・スプン食があります。

肉食が中心ですから、手や箸で食するより、切ったり、刺したりするフォーク・ナイフが適しています。

ちなみに、フォーク・ナイフ類の事をカトラリー(cutlery)と言いますが、カット(cut)が語源です。

そして中国・韓国・日本の箸食ですが、日本以外は箸の他にスプンやレンゲを併用するので、箸のみで食するのは日本だけです。箸使いに関しては独特のマナーを形成している理由が頷けますね。

このようにテーブルマナーは、それぞれの食文化により大きく異なりますが、そこには「なぜこうなるのか?」と言う合理的な理由が存在します。

不必要に形ばかりにこだわることなく、その理由やマナーが生まれた時代背景を理解することが大切です。

ちなみに日本は、神様・仏様(神道・仏教)の国で、神と共に食する「神人共食文化」を形成しており、世界に類を見ない平和な世の中から生まれています。

だから他者に対する「思いやりの心」を優先するわけで、とても素晴らしいマナーだと思います。

11月3日は文化の日ですが、不必要に西洋かぶれするのではなく、世界に誇る「和食文化」や「和食のマナー」、さらにそれに伴う「おもてなしの文化」などを正しく理解して、次世代にも伝えて行く必要があると痛感します。

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マナー講師 平松幹夫

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