コラム

 公開日: 2014-10-30 

マナーうんちく話823《九里より旨い十三里》

早速ですが、表題の「九里よりうまい十三里」の対象になる食べ物は何だと思いますか?

答えは「サツマイモ」です。
我が家も先日収穫しましたが、幼い頃、秋の遠足でサツマイモ掘りを体験された方も多いと思います。

サツマイモは美味しくて、食物繊維の塊で、栄養価も高く、しかも焼き芋などにして簡単に食すことが出来るから、非常に便利の良い食べ物ですね。

原産地は中南米で、コロンブスがスペインに持ち帰り、それが中国を経由して琉球から九州の薩摩を経て、江戸に伝わったと言われています。

当時は飢饉も珍しくなく、米が出来なくなると、たちまち困窮します。
そこで、土地がやせていても結構収穫が見込めるサツマイモを幕府が奨励するわけですが、やがて焼くだけで美味しく食べられる「焼き芋屋」が登場してきます。

焼き芋は美味しくて手軽な食べ物だったわけですが、一番の魅力は今と異なり、値段がとても安かったところにあるようです。

恐らく焼き芋は、当時のファーストフードの代表格だったわけでしょうが、サツマイモは栗(クリ=九里)より格下になります。

だから、当時の焼き芋の看板は、少し奥ゆかしく「八里半」と表現したそうです。

しかし、何事も負けず嫌いの江戸っ子です。
丁度今頃、つまり秋本番の焼き芋は、甘くて、ホクホクして、栗(九里)より美味しいとしました。

だから「栗(九里)より(四里)旨い十三里」としたわけですが、このネーミングが江戸の人々に大受けして、いつの間にか「サツマイモ=十三里」になったわけです。

夏の暑い時期に鰻が売れなくて困っている時に、「本日土用丑日」(今日は土用の丑の日で鰻を食べる日です!と言う意味)のキャッチコピーを考え出した平賀源内にせよ、「九里よりうまい十三里」のコピーを考えた焼き芋屋の主人にせよ、素晴らしい感性の持ち主だったのでしょうね。

ちなみに、この「本日土用丑の日」というキャッチコピーは、日本で一番古いキャッチコピーとされており、300年以上の歴史があります。

やはりキャッチコピーは、シンプルで解りやすいのが一番受けると言うことでしょうか。

また、このコピーのお陰で、鰻は夏の食べ物だと思っている人も多いようですが、脂がのって一番おいしい時期は晩秋から初冬にかけてです。

それにしても、これらのキャッチコピーが受けたと言うことは、江戸時代の人々の職字率が如何に高かったかということではないでしょうか。

職字率とは、文字を読んだり書いたりして理解する能力のことですが、当時の武士はほぼ100%、庶民でさえ50%を超えており、世界一だったと言われています。

「衣食足りて礼節を知る」と言う言葉がありますが、平和な世が長く続いた江戸時代には多様な文化が花開きます。

外食文化もしかりですが、衣食住に恵まれて来ると、教養を身につけたい欲望が湧いてきます。

だから藩校や寺子屋に通う子供が増え、読み書きそろばんが出来るようになりますし、礼儀作法にも精通するようになるわけです。

日本の義務教育は世界一で、加えて日本は礼節の国ですが、この頃に培われた遺伝子を忠実に受け継いでいると言うことですね。

平和で、四季がもたらす秋の風情や恵みに感謝しつつ、文化の秋、体育の秋、食欲の秋、読書の秋を、心や体や舌や目で謳歌するのもお勧めです。

この記事を書いたプロ

人づくり、生きがいづくりプロジェクトの岡山ハッピーコミュニケーション

マナー講師 平松幹夫

岡山県和気郡和気町父井原824番地 [地図]
TEL:090-4573-1062

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

6

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
参加者の声

【和気町協働事業「バラ色未来創造大学」に参加された方の声(アンケートから抜粋)●講座に参加するたびに若返る気がします。この年で新たな生きがいができ大変うれしい...

講演会・研修会メニュー

【女性部・女性会向け厳選講座】商工会、法人会、各種団体女性部から婦人会、地域、企業、サークルまで幅広く対応できる人気講座で、人生を前向きに生き、身も心も精...

 
このプロの紹介記事
マナーと自分磨きを指南する平松幹夫さん

美しいマナーを身につけてハッピーな人生を!(1/3)

「マナーは相手への思いやりを表現するためのスキル。形だけでなく、そこに込められた意味を理解したうえで身に付けることで、人間関係を良好にし、心の豊かさを取り戻せると思うのです」と、穏やかな物腰で語りかける平松幹夫さん。マナー講師、講演会講師と...

平松幹夫プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

講演・セミナーが大好評!老若男女をキラキラ魅せるマナー講師

所属 : 人づくり、生きがいづくりプロジェクトの岡山ハッピーコミュニケーション
住所 : 岡山県和気郡和気町父井原824番地 [地図]
TEL : 090-4573-1062

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

090-4573-1062

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

平松幹夫(ひらまつみきお)

人づくり、生きがいづくりプロジェクトの岡山ハッピーコミュニケーション

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
マナーうんちく話1432《女性の社会進出とレディーファーストの文化①》

桜前線や花見情報などこれからしばらくは桜の話題で盛り上がる時期ですね。科学が発達したおかげで最近では桜...

[ マナーの心得 ]

マナーうんちく話1431《日本の幸福度と教育と感謝の心》

全国のトップを切って3月21日に早々と東京で桜の開花宣言がなされましたが、これから順次「桜前線」が日本列島を南...

[ マナーの心得 ]

マナーうんちく話1430《中高年に課せられた高度なマナーとは?》

日本では「春は嵐と共にやってくる」といわれますが、西洋では「春はライオンと共にやってくる」と言われます。...

[ 人間関係を良好にするマナー ]

マナーうんちく話1429《「弊社」と「当社」、好感をもたれるのはどちら?》

和風月名では3月は「弥生」ですが、他にも「雛月」「桃見月」「花見月」そして「夢見月」があります。いずれ...

[ ビジネスマナー ]

マナーうんちく話1428《ファックスを送信した。この時確認の電話は?》

春の陽気に誘われ虫達が地上に出て活動する時で万物が躍動する時です。姿勢を正し、心機一転希望のスタートを切...

[ 日常生活におけるマナー ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ