コラム

 公開日: 2014-10-04 

マナーうんちく話812《上品で美しい食べ方⑫「鯵の塩焼き」》

鯵(あじ)は魚偏に「参」と書くから、3月頃から美味しくなるという説がありますが、季節を問わず漁獲されるので、日本人には昔から最もなじみのある魚であり、庶民の食べ物を代表する青魚です。

江戸時代には酒のつまみやご飯のおかずとして好評で、庶民は「鯵の行商人」の声を待ちわびていたそうですね。

最近は特に生活習慣病の予防がクローズアップされるようになりましたが、鯵は味が良く、安価であり、加えてDHAやEPAを豊富に含む健康食として注目を浴びているので、食卓に上がる機会が多いと思います。

中でもシンプルな「鯵の塩焼き」は鯵を味わう調理法の中でも、最も人気が高いだけに、上品に美しく召し上がって頂きたいものです。

私が主催するお手頃価格での和食のテーブルマナーでは、一匹丸ごとの魚料理の美しい食べ方として、鯵の塩焼きを出して頂くケースが多々あります。

ところで、魚はフレンチであれ、和食であれ、切り身であれ、一匹丸ごとであれ、基本的には一口ずつ、左からフォーク・ナイフや箸で切り分けて頂きます。

一匹丸ごとの魚は、頭が左にきます。
但し、弔事の時には右に来る場合もあります。

食べ方ですが、紅色の茎付きの生姜、つまり「はじかみ」(筆生姜)が添えてあったら、皿の奥側(上側)にはずして置いて下さい。

レモンが添えてあれば、好のみで全体にサッとかけて下さい。
また、大根おろしが添えてあれば、大根おろしに醤油を数滴掛け、魚の身と共に食べて下さい。

塩焼きは、皮の部分に塩が沢山振ってあるので、醤油は不要だと思いますが、それでも醤油をかけたい場合は、魚の身に直接かけるより、大根おろしに掛ける方が綺麗に食べられます。

食べ始める手順は、先ずは上の身を頭側から尾の方に向けて、身を散らかさないように食します。

魚の身の構造上、このスタイルが一番美しく食べられるコツです。
火の通りを良くするために切り身が入れられていたら、それに沿って箸を入れたらいいでしょう。

上側の身を食べ終えたら、中骨が出てきますので、頭を手で押さえて、箸を中骨の中に入れ、頭と中骨をはずして、これを皿の奥(上側)において、下の身を、頭の側から尾の方向に向けて食して下さい。

また、鯵の尾を上に向けて折って、そこから箸を入れ、頭に向けて中骨をはずす方法もあります。ぜひ試してみて下さい。

どちらの方法でもいいと思いますが、注意して頂きたいのは、洋食であれ、和食であれ、ひっくり返さないことです。

理由は洋食と和食では少し異なります。洋食(フランス料理)はソースの種類が多くて、それが美味であるという特徴があります。

特に魚料理はソースをすくう専用のスプンがある位ですが、魚をひっくり返すとソースが飛び跳ねます。だから裏返やさない方が良いわけです。

一方和食には、頂きます」「ご馳走様」という食前、食後の美しい挨拶があります。「頂きます」は自分の命を長らえるために魚などの命を頂く意味で、食材に対する感謝の言葉です。従って、魚の命を頂くのですから、ありのままの姿で感謝しながら食することが魚に対する礼儀です。自分の都合で裏返やすのは感心いたしません。

そして大事な事があります。
食べ終えたら、見苦しくなりやすい小骨や頭やレモン等の搾りかすを、皿の向こう側(上側)に綺麗に纏めて下さい。

ちなみに「はじかみ」は、魚の身を食べ終えた後に食して下さい。
見た目の美しさもさることながら、脂の乗った魚を食べ終わった後の、口直しの役割があるからです。

この記事を書いたプロ

人づくり、生きがいづくりプロジェクトのハッピーライフ創造塾

マナー講師 平松幹夫

岡山県和気郡和気町父井原824番地 [地図]
TEL:090-4573-1062

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

8

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
参加者の声

【和気町協働事業「バラ色未来創造大学」に参加された方の声(アンケートから抜粋)●講座に参加するたびに若返る気がします。この年で新たな生きがいができ大変うれしい...

講演会・研修会メニュー

《幸齢期に乾杯!加齢を華麗に生きる人生100歳時代の幸せ探し》《人生100歳2毛作時代到来!もうひと花美しく咲かそうよ》

 
このプロの紹介記事
マナーと自分磨きを指南する平松幹夫さん

美しいマナーと豊かな心でハッピーな人生を(1/3)

 「マナーは相手への思いやりを表現するためのスキル。作法に込められた意味を理解したうえで身に着けることで、人間関係を良好にし、豊かな心を育むと思うのです」と、優しくわかりやすい言葉で穏やかに語りかける平松幹夫さん(岡山県和気町父井原)。...

平松幹夫プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

年100回の講演が好評!キラキラ輝く人生を送るためのマナー講師

所属 : 人づくり、生きがいづくりプロジェクトのハッピーライフ創造塾
住所 : 岡山県和気郡和気町父井原824番地 [地図]
TEL : 090-4573-1062

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

090-4573-1062

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

平松幹夫(ひらまつみきお)

人づくり、生きがいづくりプロジェクトのハッピーライフ創造塾

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
マナーうんちく話1659《これくらいは押さえておきたい食事のマナー「洋食④」》

洋食にはいろいろな器があります。「フィンガーボール」もそうですね。使い方ですが、フィンガーボールは手...

[ 洋食のテーブルマナー ]

マナーうんちく話1658《これくらいは押さえておきたい食事のマナー「洋食3」》

洋食はソースの種類が多く、しかもそれが誠に美味しいのが特徴ですが、前に頂いたフォークやナイフで次の料理を食...

[ 洋食のテーブルマナー ]

マナーうんちく話1657《これくらいは押さえておきたい食事のマナー「洋食②」》

洋食を食べるときに使用するナイフ・フォーク・スプンは、総称して「カトラリー」と呼ばれます。英語では「cut...

[ 洋食のテーブルマナー ]

マナーうんちく話1656《これくらいは押さえておきたい食事のマナー「洋食①」》

料亭や旅館などの和室で和食をいただく場合は、男性優位になるケースが多々ありますが、ホテルやレストランで洋食...

[ 洋食のテーブルマナー ]

マナーうんちく話1655《なぜ一匹丸ごとの魚を食べるときにひっくり返してはいけないの?》

一匹丸ごとの魚、つまり尾頭がついたまま出された場合はそれなりのテクニックが必要です。昔からこのような魚...

[ 和食テーブルマナー ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ