コラム

 公開日: 2014-09-18 

マナーうんちく話804《日本人と茶の間と団らん》

上品で美しい食べ方に触れていますが、今回は少しより道をして、心を通い合わす日本の「お茶」を取り上げてみます。

喉を潤したり、栄養的な側面のみならず、お茶を通じた「団らん」「絆作り」「おもてなし」にも触れて参ります。

そもそも食事を共にするということは、「貴方の事をより理解したい」「貴方とより仲良くなりたい」と言う意味がありますが、お茶もしかりです。

日本人が日頃米を食べるのと同じように、お茶を飲むこともごく当たり前のことで、日本人なら最もありふれた行為や出来事です。
「日常茶飯事(にちじょうさはんじ)」と言う言葉があります。

では「茶の間」は如何でしょうか?
茶の間の美化語は「お茶の間」になりますが、改めて、「お茶の間はどんな場所と?」聞かれても、現在では明確に答えることは難しそうですね。

英語で表現すればリビングルーム(living groom)とか、ダイニングルーム(dining room)のようでもありますが、微妙に異なる点もあります。

そもそも平和ブランドを築いてきた日本の住居は、欧米と異なり、壁やドアで完全に仕切られた造りではなく、このコラムでも取り上げました襖や障子で繋がっていて、どちらかと言えば自由に行き来できる造りでした。

そして、家族が団欒したり、食事をする部屋が「茶の間」と言われました。
すなわち、茶の間は単にお茶を飲み、喉を潤すということより、互いの心の絆作りの場であると言うことです。

だから比較的日当たりのいい場所で、窓が大きく、台所ともつながり、加えて、縁側があり、外にも出られるようになっている造りが多くあります。

また、部屋の中には「ちゃぶ台」と呼ばれる座宅があり、家族がこれを囲み、団らんしたり、食事をしたり、お茶を楽しみ、家族の生活の中心になった部屋です。

そして、そのルーツは囲炉裏(いろり)に有ります
昔は囲炉裏を囲んで、食事をしたり、コミュニケーションをとったりしていたわけですね。

当時は今のように「自由」とか「個性」とか「自分らしさ」より、互いの「和」が尊重されていたからこのような生活様式が長く続いたわけです。

権利・自由・個性などに重きが置かれるようになるにつれ、家族や地域での絆の希薄化が進行し、「無縁社会」「無縁仏」「孤独死」などと言う由々しきキーワードが氾濫するようになってきました。

今の日本は物質的な豊かさや利便性を謳歌しているようですが、このような現象は先進国として決して誇れることではありません。

しかし、和食がユネスコの無形文化財に指定され、世界から日本の「食文化」や「お持て成しの精神」に熱い視線が注がれている中、家族が揃っての食事や団らん、さらにお茶の間のある生活の素晴らしさを再認識したいものですね。

ちなみに、お茶の間での団らん作りのポイントは、「思いやりの心」と「本音の語り合い」です。
家族だからこそできる心豊かな生き方です。

長谷川町子さんの漫画で「サザエさん」をご存知の方も多いと思います。
家族一同で「ちゃぶ台」を囲んでいる姿は、いつも明るく楽しそうで、家族の暖かさが漂っています。

日本の平和な家族を象徴しているようですが、互いが互いを思いやる心を有していることと、本音の会話があるからではないでしょうか。

セミナー&イベント欄でも紹介させていただきましたが、7月29日(日)に岡山県和気町鵜飼谷温泉で開催しました《家族と地域のふれあい和食のマナー講座》が岡山県のホームページで紹介されています。
ご覧ください。
検索⇒「おかやま食育推進協賛事業」

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マナー講師 平松幹夫

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