コラム

 公開日: 2014-07-03 

マナーうんちく話764《「おもてなし」の本意とマナー》

日本の四季は、世界中の人が羨ましがるところですが、初夏の陽光を浴び、梅雨の雨を受けて、この時期は緑が濃くなり、草花が華やぐ時でもあります。

そして、日本人は和の心を大切にし、自然を愛し崇拝し共生しながら農耕文化を発達させ、「和食」という素晴らしい食文化を育んできたわけですね。

それに加え、移り変わりゆく四季により培われた豊かな感性と、大変ユニークな「おもてなしの心」を持っています。

今回は《「和食のマナー」の腕試し》の「おもてなし」について触れてみます。

一般的に「おもてなし」と言えば、お客様に対する心のこもった接遇を意味することが多いようですが、お客様に食べ物や飲み物、さらに宿泊の場を与えてもてなす風習は、世界中のあらゆる社会に見られます。

中でも日本のおもてなしは、昨年の東京オリンピック招致委員会のプレゼンテーションですっかりおなじみになり、和食と共に、世界中の人々から熱い視線が注がれていますね。

「おもてなし」は「もてなし」に、丁寧に「お」を付けたいい方ですが、service、hospitality、reception等のような英訳があるように、非常に幅広い概念ですので、一概に「おもてなし」とはこうであるとは言い切れません。

しかし、マナーと非常に密接な関係があることは確かなようです。

「おもてなし」のポイントは二つあります。

①「おもてなし」=「お持て成し」で「モノを持ってコトを成す」
「モノ」とは目に見え、身体で感じることが出来るもので、「コト」は目に見えないが、心で感じることが出来るものです。

例えばレストランでのおもてなしのを想定すると、店内の雰囲気、空調、食材の種類や料理の味等が「モノ」です。
いずれもレストランにとってはかけがいの無いものばかりです。

これに対して、スタッフの接客態度は「コト」に当たります。
いくら冷暖房が程良く効いて、豪華なシャンデリアと綺麗な花が活けてあり、美味しい料理が供されても、スタッフが無愛想であったり、冷たい態度で接したら、せっかくのご馳走が台無しです。

「モノ」と「コト」が程良く調和することが大事です。
料理の味は調理の知識やスキルを身に付けなければいけませんが、接客態度はマナーが必要です。

②「おもてなし」=「表無し」=「表裏無し」=「偽りなし」=「誠心誠意」
つまり、表と裏がない事、偽りがない事、すなわち誠心誠意、真心をこめて応対すると言うことです。

昨年の暮れには有名・一流・名門と言われるおもてなしのプロであるホテルや百貨店で偽装表示が問題になりましたが、これは「おもてなし」とはいえませんね。

「表と裏がないおもてなし」は愛する人や家族の場合は成り立ちますが、「さりげなく」が大切です。いかにも仰々しく「おもてなしをしています」と言えば、相手に精神的な負担を掛けることになります。

ただ、おもてなしはビジネスの世界でよく使われますが、ビジネスでは営利追求が目的になりますから、「ビジネスの世界におけるおもてなし」は、現実的には、「ホンネ」と「タテマエ」があるかもしれませんね。

レストラン経営において、何のためにおもてなしをするか?と言えば「お客様に喜んでいただくため」「お客様が満足するため」と言う答えが返ってきますが、これは「タテマエ」です。

「ホンネ」は顧客満足によりレストランの業績アップを図ることではないでしょうか。そのためには、感謝・思いやり・尊敬の心をお客様に上手に表現できる能力、つまりマナーに精通すること必要になります。

プライベートにせよ、ビジネスにせよ、「おもてなし」の言葉を使う以上は、誠心誠意、真心を込めることが大切だと心得て下さい。

この記事を書いたプロ

人づくり、生きがいづくりプロジェクトの岡山ハッピーコミュニケーション

マナー講師 平松幹夫

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