コラム

 公開日: 2010-10-16  最終更新日: 2012-04-20

マナーうんちく話⑬≪葬儀の服はなぜ黒い?≫


マナーうんちく話⑬《葬儀の服はなぜ黒い?》

私は、マルチ・マナー講師であると共に、「シニアライフアドバイザー(内閣府所管 シニアルネサンス財団認定)」、「健康生きがいづくりアドバイザー(厚生労働省所管 健康生きがい開発財団認定)」ですので、県下の行政、教育委員会、社会福祉協議会、各種団体、企業などから「中高年齢者の生きがいづくり」の講演をよく依頼されます。

日本が世界一の長寿国になったことは大変目出度くもあり、嬉しくもあることですが、「世界一の長寿国」は、裏を返せば「超高齢社会」でもあります。
65歳以上の高齢者が人口に占める割合を「高齢化率」と言い、それが7%から14%未満を「高齢化社会」、14%から21%未満を「高齢社会」、21%以上を「超高齢社会」と表現します。ちなみに岡山県は常に全国平均を上回り、只今高齢化率24,8%です。

この4人に一人の割合である高齢者が、これから元気ハツラツと生きて行くか、ショボクレテ生きて行くかではでは雲泥の差があります。山間部での高齢化率は約30%、高いところでは50%を上回りますからなおさらです。

そこで中高年齢者の「健康・生きがいづくり」が大きな課題になるわけです。
最近ではそれに、「エンディングの在り方」「葬儀の心得」なども加味されてきました。

話が少しそれますが、今世界には約68億人存在し、地球全体的には年間約8000万人人口が増えております。しかし日本は高齢者が多く、しかも少子化が進展しておりますので、人口は減少しています。亡くなる人の方が生まれてくる子供より多いからです。

「少子多死社会」ということです。
死を避けて通るのではなく、死と向かい合って生きて行かねばならないということですね。

かって、お釈迦様は、人間の基本的な苦しみは「生・老・病・死」だと申されました。
今まさに、私たちは「超高齢社会」を迎え、「老い」と正面から向かい合い、そして「死」と向かい合っております。
すなわち日本は只今、国家レベルで「葬式」に直面しているということではないでしょうか。

ところで、葬式といえば皆さんはどのような色を連想されるでしょうか?
例外なく「黒色」ではないでしょうか?
現在は黒が完全に喪服になっていますが、日本は基本的には喪服は白でした。

日本において「葬式=黒い服」になったのは、昭和40年代半ば頃で、歴史的にはまだまだ浅いようです。

このころ「冠婚葬祭の礼儀・作法」の書物がベストセラーになっています。
某既製服メーカーが「冠婚葬祭これ1着で大丈夫」というような、大変ユニークなキャッチコピーで発売した男性用「黒色の略礼服」が売れに売れて、やがて婦人用にも飛び火したようです。それ以来日本の葬式は、男性も女性も黒一色で統一されてしまいました。

そもそも江戸時代までは、日本の喪服は白と決まっていたのですが、明治維新後に、何もかも西洋かぶれした明治新政府が、当時の最先端を走るイギリス政府に、喪服の色を尋ねたところ、大英帝国では、葬式の色は「黒かグレー」だったので、其れに合わせたのが黒色の始まりだといわれております。


今「葬儀の在り方」が話題になっています。
だったら、先ず「葬儀の本質」をわきまえるべきだと思います。

「香典の書き方は?」「焼香の仕方は?」「服装は?」「挨拶の仕方は?」等など良く聞かれますが、なによりも、「葬儀の目的は何か?」「お経はなぜあげるのか?」「誰に対してあげるのか?」「戒名とは何か?」等など基本的なことを充分理解することだと思います。

岡山県でも、結婚式は6割以上がキリスト教スタイル、葬式は9割以上が仏教であげられております。全国的にもほぼ同様の傾向のようです。
結婚式はイベント感覚で、葬式は宗教に頼りたいということでしょうか。

マナーはその国々の歴史・文化・宗教などに大きく左右されます。
特に日本の葬式マナーは仏教の知識なくしては語れないと思います。
信仰や自分が信ずる宗教の大切さを今一度考えてみたい気がします。






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