コラム

 公開日: 2014-01-12 

マナーうんちく話659≪通過儀礼と成人式と振袖≫

1月13日は「成人の日」で日本中が華やかになりますね。
新たに成人式を迎え、人生の晴れ舞台に躍り出る若者に、心よりエールをお贈りしたいと思います。
ところで成人式は、冠婚葬祭の中の「冠」だと言う事をご存知でしょうか?

冠は、子どものお祝い事全般を意味しますが、その由来は、男子が初めて「冠」をかぶる「加冠の儀」のことです。

では女子は?と言えば、長い垂れ髪を始めて結いあげる「髪上げの儀」と言う儀式が有り、この二つの儀式が現在の成人式の原型だとされています。

以前にもお話ししましたが、昔は乳幼児の死亡率が非常に高く、幼い子供は皆「神の子」とされていたわけですが、その子どもが立派に成長したら、貴族や武家の家では男子は冠をかぶり、女子は子どもスタイルの髪型を改めて、結髪し、大人の服を着て一人前の成人になった祝いをしました。

これらの儀式は、ともに一人前の大人になったと言うことで、一族の繁栄にもつながるので、人の成長に伴う儀式の中でも大変大切な儀式とされていました。

何歳になったらしなければいけないと言う決まりはなかったようですが、今のように平均寿命も低く、結婚も10代と非常に早かったわけですから、一人前の大人として認められる儀式も、かなり早かったと思います。

ところで、「通過儀礼」と言われる儀式をご存知でしょうか?
人間には様々な境目がありますが、この境目はどちらにも属さないから、不気味で有り、不安定な状態になります。

従って、その不安定な境を安定させる必要がありますので、儀式をとりおこなうわけですが、この儀式が通過儀礼です。人の成長過程において、ある状態から、ある状態へと移行するための行事ですね。

例えば、成人式は、人が子供から大人になるための儀式ですが、子どもから大人に移行する段階では、子どもでもなく、大人でもないので不安定な状態にあるので、成人式と言う儀式をとりおこなうことで安定させるわけです。

さらに、成人式は子どもから一人前の大人として世間や集落から認知してもらうための儀式ですから、それなりの知恵や技能や力が必要になります。

そして今では、超少子高齢化の影響もあり、今後の日本を背負う貴重な人材として、成人式の儀式は違う意味で大切になっていますね。

物が豊かになるにつれ、成人式の衣装が豪華になっている感がありますが、特に女性の振袖姿には目を奪われます。
華やかな衣装はどこの国でも若い女性が似合いますね。

昔は、長い袂(たもと)を有する振り袖は、未婚の成人女性の最高の礼装でしたが、今では成人式に始めて振りそでを着る人が多いのではないでしょうか?
続いて、卒業式や結納時でしょうか。

元々振袖は江戸中期に流行ったデザインだったそうですが、当時の女性が着ることができる年齢は18歳までだったようです。

大人になる年齢も結婚する年齢も今とは比較にならないほど速かった時代ですから頷ける話ですが、女性も18歳を超えたら年長者扱いとなり、「振り袖」から「留袖」になったわけですね。

現在では日本人女性は世界一長寿になりましたから、年配者でも振りそでを着ている人も結構多いように思います。ファッションも多様化しましたので年齢の線引きはなくなりましたね。
良い・悪いは別として、似合うか、似合わないか?他人に好感を与えるか否か?だと思いますが如何でしょうか?

そしてハッピーマンデーの影響を受け、成人の日は今では1月の第2月曜日となり、各地域で様々な式典や祝賀会が開催されています。

一人前の大人として良識ある行動は勿論ですが、これを機会に素敵なマナーを身に付け、発揮される事をお勧めします。加えて感謝の気持ちもお忘れなく。

身内で有ればお祝いしますが、職場や地域に該当する人がいれば「おめでとう!」の声を是非かけてあげて下さいね。


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マナー講師 平松幹夫

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