コラム

 公開日: 2014-01-11 

マナーうんちく話658≪開運、長寿、家族円満を願っての鏡開き≫

日本は南北に細長く、しかも四季の移ろいが一様ではないので、数多くある年中行事も、開催日や内容が地域により様々です。

1月11日は、年神様にお供えした鏡餅を下げて皆で頂く「鏡開き」です。

本来は1月20日の行事だったそうですが、徳川家光が1月20日に亡くなったので、1月11日に変更されたと言われていますが、地域により異なるケースも多々あります。

ちなみに、「鏡開き」には、先人の開運、長寿、家族円満等様々な思いが込められています。

ところで、鏡餅は12月の26日から28日頃にかけて飾るわけですが、それが1月11日頃になるとかなり固くなります。

その固くなった餅を、木槌や金づちで叩いて細かくしなければいけませんが、その際、「切る」「砕く」「割る」等と表現してはいけません。

なぜなら、武士が「割る」「切る」の言葉をとても嫌がったからです。
加えて、神様とのご縁を切らないため「切る」と言う言葉を慎むという意味もあります。

さらに、「運を開く」と言う意味で「鏡開き」と表現します。

また、丸い形の餅は、満月や家族円満に繋がるとされており、正月を始め、一年の「ハレの日」には縁起物の特別な食べ物として重宝されていたわけです。

ちなみに「ハレ(晴)」とは、「晴れ舞台」とか「晴れ着」とかと言われるように、心が浮き浮きしている状態を意味します。

つまり正月・結婚式・入学式・成人式のような非日常的な祝祭的な時間や空間を言い、明治から昭和にかけて活躍された民族学者、柳田國男により示された概念です。

そして、晴れの日には、晴れ着を着て、お餅や赤飯等の特別なご馳走を食べるわけです。

昨年は、和食がユネスコの無形文化遺産に登録されましたが、和食と米は切っても切れない関係です。

今では、日本は世界一「飽食の国」になり、好きな時に、好きな物が腹一杯食べられるようになり、米や餅や赤飯も、昔ほどありがたく無くなりました。

しかし、米は「銀シャリ」といわれるように、昔の人にとっては大変貴重な食べ物だったわけで、一般庶民が白米を食べる事が出来るのは、それこそ盆と正月くらいだったようです。

勿論、日本は稲作を中心とした農耕文化で栄えた国で、古くは弥生の頃から米を作っていましたが、口に入るのは特別階級の人だけで、商品的価値の方が高かったわけですね。

つまり、米は生活の糧として、命がけで作るが、日常で食べるのは、麦や泡や稗や芋などです。

そんな貴重な米を使って、餅やお萩や牡丹餅を作り、正月や盆や彼岸になれば、ご先祖様にお供えしていたわけですから、日本人がいかにご祖先様を大切に思ってきたかが伺えます。

「鏡開き」と言う言葉は、先人がご祖先様と縁を保つために、あえてこのように表現したわけですから、職場や家庭でも注意して使用して下さいね。

「鏡割り」ではなく「鏡開き」ということです。

また、固くなった鏡餅を頂く事を「歯固め」と言います。
歯の大切さは申すまでも無いですが、昔は固い物を食べ、歯を丈夫にして長寿を神様にお願いしたわけです。

今日はお供えした鏡餅を下げて、ぜんざいや雑煮を作って食べられる方も多いと思いますが、この一年、家族円満、健康、そしていい事が沢山有ればいいですね。

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