コラム

 公開日: 2013-11-22 

マナーうんちく話627≪寒さに震えた者ほど太陽の温かさを知る≫

今日は二十四節季の一つ「小雪(しょうせつ)」です。
立冬から数えて15日が経過した頃で、寒さが増し、そろそろ雪が降る頃だとされていますが、今年は既に初冠雪が多くの地域で見られましたね。

そして、雪が降るにはまだ早い地域でも、ふと、風に運ばれて舞っている小雪「風花(かざばな)」を見かけることもあり、この日を目安として本格的な冬支度が始まります。

また、この時季に春のように暖かくなる好天気を「小春日和」と言いますが、何日間か小春日和に恵まれると、サクラやツツジや山吹等の、春に咲く花がうっかり一輪から数輪ですが、咲いてしまうことがあります。
これを「返り花」と言います。

「返り花」は人が忘れた頃につつましく咲くから「忘れ花」、時ならぬ花を咲かせるから「狂い花」とも言われます。
さらに返り花には、身請けされた遊女が元の職場に戻る意味も有ります。

日本人は昔から好んで女性を花に例えました。
例えば「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿はユリの花」とか、「いずれ菖蒲か杜若」等は、凛とした気品が漂う美しい女性のたとえです。

また秋の七草の一種であるオミナエシは「女郎花」と表現します。
江戸時代の女郎と呼ばれる女性が、客引きのために筵を持って、こちらに一人、あちらに一人とポツンと立っているように咲くからです。

凧(こがらし)に 匂いやつけし 返り花(芭蕉)

この句は、遊女を花に例えた、なんとなく物悲しい俳句ですね。
凧が男性の象徴なら、返り花はまさに女性を象徴しているようです。
昔の人は、現代人には耐えがたい苦労を経験されたのでしょうね。

ところで、これから寒さが身にしみる辛い季節になりますが、特に今年は寒さが厳しいとの予報です。
しかし、寒さは、毎日は続きません。

「三寒四温」という言葉があります。
必ずしも規則正しくは推移しませんが、寒い日が3日続けば、今度は4日暖かい日が続きます。

厳しい寒さの後にくる温かい日は、本当にありがたいものです。
辛い目に遭えば、人の暖かさが身にしみるのとよく似ています。

アメリカの民衆的詩人として有名なホイットマンは「寒さに震えた者ほど 太陽の暖かさを感じる。人生の悩みをくぐった者ほど 生命の尊さを知る。」と書いています。

厳しい寒さを体験した後に、暖かい太陽の光を浴びると、太陽のありがたさが身にしみてわかるように、人生においても、苦しいことや悲しい事を色々と経験すれば、生きていく本当の意味がよくわかるということです。

つまり、苦労すること、悩むこと、辛い事を体験することは、全て幸せを知る経験に繋がるわけです。

但し、色々と不幸な経験をしても、挫折してしまってはいけません。
一時はくじけてもやがて立ち直り、それを克服すれば、明るい世界が開けて来るというものです。

世の中、誰でも、なにもかも順風満帆というわけにはまいりません。
個人差が大きいと思いますが、もしかしたら辛いことや悲しい事の方が多いかもしれません。

しかし、憂うるばかりでは前に進むことはできません。
時には居直って「矢でも鉄砲でも持ってこい」という位の気構えを持つことも大切です。

「どんな手段で使って攻められても受けて立つ」という固い決意で、まさに腹を据えた言葉ですが、自棄(ヤケ)にならないで下さい。

どんなに寒くても冬は必ず春になります。
苦しい事があっても、へこたれずに常に前向きに行きたいものですね。

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