コラム

 公開日: 2013-11-06 

マナーうんちく話619≪食材偽装とわがまま消費者≫

地球上の全人口約71億5000万人のうち、その日の食べ物や飲み物に困っている人が8億人以上、さらに飢餓で命を落とす人が一日に数万人いると言われる中において、世界一飽食の国と言われる日本人は、本当に贅沢な食生活を謳歌していると思います。

ちなみに、皆様は「飽食の国」と言う言葉に、どんなイメージをお持ちでしょうか?飽食と言う言葉には、食べ物を粗末にしたり、自分の好きな物や、美味しい物だけを食べることを戒める意味が、多分に含まれています。
一方、食べ物の安心・安全に関してはとても敏感です。

ところで昔流行った「赤信号みんなで渡れば怖くない」というギャグをご存知でしょうか?個人で有れば侵さない間違いでもみんなやっていると、つい魔が差すのでしょうか?

食材偽装問題。一流ホテルに続き、一流百貨店までが浮上しましたね。

法律とマナーの大きく異なる点は、法律は違反すれば罰則規定がありますが、マナーには有りません。しかし、マナーをおろそかにすると、時として法律以上に大きなダメージを受けます。信用を失うことです。
過去に何社も有名企業が破たんに追い込まれていますね。

偽装する側と騙される消費者では、明らかに偽装する側に非があると思いますが、今回の事件を契機に、消費者サイドでも心掛けたい点が多々あると思いますので、幾つか触れてみます。

○メニューのオーバーな表現や美辞麗句に惑われない。
最近の店はいずこも表現力が豊かでメニュー表示がとても上手です。しかし、「ヘルシー」「とれとれ」「チドリ」「直送」の表現は魅力的ですが、基準が大変不鮮明です。

○ブランドに不必要にこだわらない。
ブランド化を試みている所は多々あります。値段が高く取れるからです。しかし、野菜・魚・肉・果物等も無名の物でも美味しい物は沢山あります。また、味の違いは、ブランドもさることながら、鮮度や味付け等様々な要因がからみますので、非常に難しいと思います。また、味覚教育も十分とは言えません。

○一流・有名に不必要にこだわらない。
一流・有名店に一流の人がいるとは限りません。二流・三流と言われる店にも、本当に顧客満足を求めて時密な努力をしている素晴らしい人は沢山います。

○日頃から家庭の食事を大切にして下さい。
日常における家庭での食事を大切にすることが一番です。出来る限り手作りで、料理を楽しむ事、味わう事、丁寧に取るという事を大切にして下さい。
そして外食では、家庭では味わえない雰囲気や味を楽しんで下さい。

つい半世紀前までは、食事と言えばほとんど家庭で作ったものでしたが、今では便利になり過ぎて、工場で作られた食べ物がいつでも家庭の食卓に並ぶようになりました。その分感謝の心も失せたようです。

私たちの体を構成する物質は、口にする物、すなわち「食べ物」で成り立ちますが、食べ物は、全て命あるモノです。魚・肉・野菜等・・・。

そして、人間は、自分の命を長らえるために、魚や肉や野菜や果物の命を頂くわけです。つまり、食べ物とは、この世で一番大切な命に他なりません。
日本人が食前に発する「いただきます」の言葉は、まさに命を頂くわけです。

だから、農業・漁業に携わる人も、食品会社で働く人も、レストランや料亭で働く人も、ある面においては非常に崇高な仕事に携わっているわけですから、常に誇りとプライドを持って頂きたいものです。

消費者は「頂きます」の気持ちと共に、苦労して料理を作ってくれてありがとうと言う「ご馳走様」の感謝の気持ちを大切にして下さいね。

加えて、日本人は食べ物に口うるさくて我儘過ぎると感じます。大きさ、形、見た目等に対して不必要に、こだわり過ぎではないでしょうか?
さらに、食料自給率が39%しかない事実をしっかり認識するべきです。

今回の事件を契機に、今後益々食品の安心・安全が追求されると思いますが、食材を提供する側も、料理を作る側も、頂く側も、食べ物に関する本質を忘れないように心がけることが、必要不可欠だと痛感します。

この記事を書いたプロ

人づくり、生きがいづくりプロジェクトの岡山ハッピーコミュニケーション

マナー講師 平松幹夫

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