コラム

 公開日: 2013-11-04 

マナーうんちく話618≪おもてなしの心と食材偽装問題≫

秋が深まるにつれて木々の色が鮮やかに色づいてきましたね。
世界屈指の美しさを誇る「日本の秋」を実感させてくれる時節です。

スポーツの秋を身体で、芸術の秋を目と心で、そしてグルメの秋を舌で思い切り味わうのもお勧めです。

平和な美しい国で、常日頃から、美味しい物が腹いっぱい味わえるということは本当に幸せな事ですね。改めて感謝・感謝です。

それにしても、相変わらず問題になってくるのが食品偽装です。
食品業界において信用にかかわる偽装問題が、平成に入ってから急に増えてきた気がしてなりませんが、これもグルメブームのあおりでしょうか?

そしてその内容も牛肉、鶏、ハム、洋菓子、お土産、米等など非常に多岐に渡っているのが現状です。

日本を代表する食品会社の、消費者を無視した食品偽装事件の横行にうんざりしている人も多いと思います。

食料自給率が39%しかない日本が、世界一の「飽食の国」「美食の国」になり、加えて、食品の安心・安全に非常に敏感になり、さらに不景気のせいで、致し方なくという言い訳は少し虫がよすぎると思いますが、如何でしょうか?
苦しいのはお互い様で、そんな中、誠心誠意努力している人は大勢います。

そして今回は、おもてなしのプロ集団であるホテル業界における食材偽装表示問題。最初は、関西の一部のホテルで発覚したわけですが、10日も経過しないうちに出るわ!出るわ!の大騒ぎで、連日お詫び会見のオンパレード。

後になってお客様から追求されるより、先に公表した方が、傷が浅くて済むという理屈でしょうか?びっくりしましたね。

テレビや新聞で見たり読んだりする「お詫び会見」も、決して潔いとは思えません。メニューの偽装に関しても、返金にしても、「弘法も筆の誤り」「居直り」的に思えて後味が悪い気がします。

まだ記憶に新しいと思いますが、オリンピックの招致委員会でのプレゼンテーションで、日本の「おもてなしの心」が話題になりました。「お・も・て・な・し」は本当に素晴らしい響きで、いつ聞いても良い言葉です。

そして、日本人なら誰でも知っている言葉で、お客様に対して心のこもった接客やサービスを表現する言葉です。

また、おもてなしと言えば千利休を思い浮かべる人も多いと思いますが、彼は「主人は万全を期してお客様のために準備して、心地良く過ごして頂く姿勢が大切である」と説いています。一期一会の心でもありますね。
「座蒲団」や「上座」「下座」の概念等はそれを具体的に表現したものです。

その、おもてなしの最高峰は旅館とホテルだと考えます。
だから、旅館やホテルは、お客様に最高のサービスを提供して、お客様に喜んでいただき、利益を得ているわけではないでしょうか?

あくまで一般論ですが、顧客満足度が高くなるにつれ、お客様は、「支払っても良い」と感じる金額も高まります。

例えば、同じオレンジジュースでも、セルフサービスのファーストフォード店のパックに入ったジュースでは200円程度でしょうが、わざわざ手で絞って、それに美しいグラスに入れて、心地良い雰囲気・音楽・洗練されたサービスと一流と言うブランド名の付加価値が付けば1400円支払います。
しかし、ここに偽りが有れば信用に傷がつきます。

昔のホテルの存在意義は、「おもてなしの心の普及」「非日常的空間の提供」もさることながら、「欧米諸国の文化やマナーの提供の役割」を担っていたわけで、今回問題になっているホテルも、その役割を充分果たしてこられたと思います。
ホテルで洋食のテーブルマナーを習ったり、チャペル式ウエディングのマナーを身に付けたりされた方も多いはずです。

時代と共にホテルを取り巻く環境や存在意義も大きく変わりましたが、時代がいかに変化しようが、おもてなしの文化の発信元には変わりありません。
オリンピックも控えています。世界中の人に日本人ならではの「おもてなしの心」を再度発信して頂きたいものです。

この記事を書いたプロ

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マナー講師 平松幹夫

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