コラム

 公開日: 2013-10-31 

マナーうんちく話615≪ハロウィンは結局なんの行事なの?≫

古代ケルト民族によると、10月31日は一年の終わりであり、この日になると死者の霊が里帰りする言い伝えがあります。

それと共に、黒ネコやほうきに乗った悪霊達も一緒にやってきて、色々と悪さをすると信じられていました。

そして、里帰りする霊を迎えるために、蕪(カブ)をくりぬいて、ロウソクを入れたラタンで玄関を明るくしたわけですが、ハロウィンがアメリカに渡ると同時に、蕪がカボチャになったようです。

加えて、悪霊達から身を守るために、焚き火をしたり、仮面をかぶったり仮装して、悪霊達に溶け込み、目をくらませたわけです。

また、この日は仮装した子供が、「お菓子をくれなければ悪さをするぞ!」といって家々を回りますが、このお菓子には、外を徘徊している悪霊達が家の中に入り込まないように、お菓子を与えて、気分良く元の世界に戻って頂く意味が込められています。

ちなみに、ハロウィンのテーマカラーは黒とオレンジですが、黒色はこの世に里帰りする死者の霊で、オレンジ色は収穫を意味すると言われております。

ラタンにロウソクをともして死者の霊を迎えるのは、迎え火を焚いて死者の霊を迎える日本のお盆の行事に、収穫は日本の秋まつりに似ていますね。

従って、ハロウィンの行事は、日本の「お盆」と「秋祭り」の行事が結びついたようなものでしょうか?

それにしてもハロウィンはすっかり日本に定着し、年々盛大になり、今やバレンタインをしのぐ勢いのようです。

では、なぜキリスト教に関連した行事が、なぜ神様(神道)・仏様(仏教)の国で、こんなに人気が出たのでしょうか?

理由は、日本のテーマパークがイベントで取り上げ好評を得た、英語教育の中で取り上げ広く知られるようになった、仮装することがお祭り好きな日本人に受けたなど等がありますが、クリスマスのイベントと同じように、ビジネスにおける売上向上対策が功を奏したのではないかと思われます。

ところで、日本には明治維新と共に欧米諸国から、実に多種多彩な行事が一度に入ってきました。クリスマス・母の日・父の日、そしてバレンタインなど等。

その殆どがキリスト教にちなんだ行事ですが、それらが神様・仏様の国にやってきて、やがて本家をしのぐほど盛んになるには、やはり日本人の商魂たくましさが大ではないかと考えます。外国ではあまり例がないですね。

勿論経済が活気づくのは大歓迎です。
しかし、一方で日本に何百年も続く行事やしきたりが、消え薄れていくのは寂しい気がします。

今や日本人で、キリストの誕生を知らない人はいないでしょう。
しかしお釈迦様の誕生を知ってお祝いする人は非常に少なくなりました。
結婚式も、神前式より殆どの人がキリスト教式で執り行いますが、何かお願い事が有れば神様・仏様にお願いします。

日本のお盆の行事に子どもはほとんど関与しませんが、ハロウィンは殆どの子どもが楽しみます。そして、ハロウィンのカボチャを知らない子どもはいませんが、冬至のカボチャや、正月に頂くお年玉が「年神様からのプレゼント」だと理解している子どもは何人いるでしょうか?

さらに、ハロウィンは占いが有名のようですが、日本人は昔から、「しきたり」や「おまじない」に囲まれて生活しています。

加えて、「雛祭り」「七夕」「七五三」等のように、何百年も続くしきたりには、先人たちが「なぜそうしたか」という明確な理由が必ず存在しており、そこには、日本の四季や気候風土や国民性にマッチした、心豊かな生活をする知恵やヒント及び感謝の心が凝縮されております。

「儲かればいい」、「子どもが喜べばいい」のではなく、「ハロウィンの行事とは何か?」、「なぜハロウィンの行事を行うのか?」等と言う理由をキチンと子どもに教えてこそ、ハロウィンの行事がより生きて来るのではないでしょうか?

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マナー講師 平松幹夫

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