コラム

 公開日: 2013-10-03 

マナーうんちく話602≪「価値観が同じ」の本当の意味は?≫

いよいよ実りの秋、収穫の秋到来ですね。
稲刈りがあちらこちらで始まりました。「瑞穂の国」日本で収穫と言えば、先ず思いつくのが米ですが、米にも色々あります。

水田、つまり田んぼで育てる米が水稲(すいとう)で、畑で育てる米は陸稲(りくとう)と言い、水稲の方が収穫量や味も良いと言われておりますが、本質的な違いはありません。

また、日本は南北に細長く、気候の差が北と南ではかなり激しいので、稲作の時期も様々です。
早く田植えをして早く刈り採られた米が「早稲(わせ)」で、遅く収穫される米が晩稲(おくて)で、その中間が中稲(なかて)です。
一般的には東北地方は早くて、南西部は遅いようです。

そして、稲が刈り取られた田んぼは「刈田(かりた)」と言われますが、刈田が目立つ頃になると、いよいよ秋祭りを迎えます。

前回、10月は「神無月」と呼ばれ、日本全国の神様が出雲大社に集合されるので、本来は、10月に「祭り」は無いはずなのに?と不思議に思われる方がいるかもしれませんが、これは、地域性や旧暦と新暦のずれなどが考えられます。

そして10月は結婚式の季節でもあります。
私もホテルでブライダルの仕事に長年携わっていましたので、数千カップルと素敵なご縁を頂きました。

その際、共に「伴侶を選ぶ決め手」について質問すると、殆どのカップルは、相手の優しさに加えて、「価値観が同じ」だからと言われます。
共に生活をするうえで、価値観が同じであるというのは大切だと思います。

では、その価値観とは何でしょうか?
これについては、非常にあいまいな部分が多いような気がします。

価値観とは、物事を評価する際の判断基準になるものであり、物事の優先順位ではないでしょうか?

そして、価値観は10人10色です。
人生の中で何に最もウエイトを置くかは、それぞれの性別や年齢、置かれている立場や育った境遇や経験した内容、さらに、読んだ本の数や内容、加えて、宗教や地域や時代によっても大きく異なります。

例えば、男性と女性、大人と子供、平社員と社長、武士と町民、仏教徒とキリスト教徒、日本人と外国人等などです。

だから、同じ価値観を置くということは、そうでない人より、より親しみやすかったり、理解しやすいのはうなずける話ですね。

日本では、米に絶対的な価値が置かれていた時代が長く続きました。
また戦時中のように、言論の自由が束縛されたり、一方的な教育が行われたり、思想が統一されていた時代には、共通した価値観が明白です。
しかし、今のように、自由や個性が大切にされ、選択肢が多く、「何でもあり」の時代においては、価値観の共有は大変難しいと思います。

従って、互いに相手を認め尊重するという、「歩み寄りの気持ち」が大切ではないでしょうか?

また、価値観と言えば聞こえは格好いいですが、それが見栄や体裁、世間体を気にした価値観ならあまり意味がないと考えます。

例えば、ある種のブランド物が互いに好きと言うことで、価値観が同じと言う場合、それが、「世間でいう高級品だから」の理由ではおかしい気がします。

ブランドは、それなりの歴史や文化性を有しています。
そのブランドが醸し出す文化が互いに好き!と言う場合は素晴らしいですね。
そして、贅沢な食べ物が好きと言うより、賢い食べ方に価値観を置くカップルも素敵です。

物の価値を、世間体に左右される事無く、自分自身の感性で決めて頂きたいものです。世間で名前が知れ渡った有名なブランドより、彼が誕生祝いに苦労して買ってくれた無名のバッグのほうに価値観が置ける人は幸せな人です。

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マナー講師 平松幹夫

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