コラム

 公開日: 2013-07-16 

マナーうんちく話571≪盆と正月が一度にやってきた≫

今ではすっかり聞かれなくなりましたが、江戸時代の頃は、お盆の7月15日と小正月の1月15日のあくる日、即ち7月16日と1月16日は「薮入り(やぶいり)」でした。

丁稚や女中が、奉公先から実家に帰れる日です。
また、お嫁さんが、嫁ぎ先から実家に帰れる日でもあります。

昔は今のように教育制度も充実しておらず、しかも貧しい家が圧倒的に多かったので、10歳前後になると、殆どの子どもは商店などで働くようになります。

いわゆる「丁稚(でっち)」として、住み込みで、雑役や使い走りとして働き、様々な事、つまり商売の「いろは」とか「礼儀作法」、さらに「読み・書き・そろばん」等を教育され、一人前に育っていくわけです。

毎日、毎日、それこそ早朝から深夜まで働いたり、勉強したりの厳しい日が続くわけですが、一年に二回だけ、7月16日と1月16日に休日が頂けるわけです。

丁稚はまだ十分な仕事ができるわけではなく、修行中の身分ですから、衣食住は保障されるものの、給料と言えるものは有りません。

年に2回の薮入りの日に、実家に帰る際に、小遣いや衣服やお土産が支給されたわけですね。

小遣いやお土産を握りしめて実家に帰る、その嬉しい様が、目に浮かぶようですね。

一方、貧しいが故に、我が子を10歳前後で、丁稚奉公に出した実家の親も、子どもが帰ってくるので、とてもうれしいわけです。
首を長くして、色々とご馳走を用意して帰りを待ちます。

親だけではありません。
地域の幼友達や、近所の大人も楽しみに待ちます。

加えて、薮入りは、丁稚奉公に出た子どもと共に、嫁いだお嫁さんが実家に変える日でもあります。

夫が送ってくれるケースや一人で帰る場合もありで、地域ごとにユニークな風習が有ったようです。

以前、「お中元」や「お歳暮」の話題に触れましたが、嫁いだお嫁さんが実家に帰える時には、実家のご先祖様にお土産を持参しますが、これが、お中元・お歳暮の起源とされております。

ちなみに、他家を手土産持参で訪問する場合は、手土産は部屋に通され、キチンとした挨拶が済んで渡しますが、お嫁さんが実家に変える場合は、迎えてくれた母に玄関先で渡しても良いことになっています。

ところで、私たちは今でも、「盆と正月が一度に来た」と言う言葉を、耳にしたり口にしたりします。

これには、「大変忙しくなった」と言う意味と、「嬉しい事が重なった」と言う二つの意味が有ります。

来る日も来る日も、朝から晩まで働き詰めの幼い子供にとって、年に2回の薮入りは、「労働から解放される」、「小遣いが頂ける」、「新しい服が着られる」、「ご馳走が食べられる」、「親や兄弟や幼友達に会える」、「娯楽が楽しめる」等などで、それは、それは楽しかったことでしょうね。

素食を食べるからご馳走のありがたみが身に沁みる、辛いことが有るから嬉しい事が有る。苦労を経験するから思いやりの心が湧いてくる・・・。

物の豊かさや便利さに慣れ切ってしまった現在、薮入りの意味や意義は大きいですね。

改めて、物質的豊かさや利便性を謳歌できる、時代と国での生活に感謝・感謝です。

参考までに、10歳前後に丁稚奉公に出て、番頭になれるのは30歳前後で、ここまで到達するには非常に厳しい競争が有ったようです。

この記事を書いたプロ

人づくり、生きがいづくりプロジェクトの岡山ハッピーコミュニケーション

マナー講師 平松幹夫

岡山県和気郡和気町父井原824番地 [地図]
TEL:090-4573-1062

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

4

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
お客様の声

●●テーブルマナーの本当の大切さが理解できました●●洋食のマナーには自信が有ったので参加しましたが、今回平松先生の講座を受講して「目からうろこ」と言う言葉をす...

出前講座

■絶対聴きたい!《女性会・女性部向け》厳選講座のご案内!商工会、法人会、各種団体の女性部会から、婦人会、地域、企業、サークルまで幅広く対応できる人気講座です...

 
このプロの紹介記事
マナーと自分磨きを指南する平松幹夫さん

美しいマナーを身につけてハッピーな人生を!(1/3)

「マナーは相手への思いやりを表現するためのスキル。形だけでなく、そこに込められた意味を理解したうえで身に付けることで、人間関係を良好にし、心の豊かさを取り戻せると思うのです」と、穏やかな物腰で語りかける平松幹夫さん。マナー講師、講演会講師と...

平松幹夫プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

講演・セミナーが大好評!老若男女をキラキラ魅せるマナー講師

所属 : 人づくり、生きがいづくりプロジェクトの岡山ハッピーコミュニケーション
住所 : 岡山県和気郡和気町父井原824番地 [地図]
TEL : 090-4573-1062

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

090-4573-1062

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

平松幹夫(ひらまつみきお)

人づくり、生きがいづくりプロジェクトの岡山ハッピーコミュニケーション

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
マナーうんちく話1369《幸運を呼ぶ「運盛り」のお勧め》

国土の7割以上を山で覆われている日本では、四季折々の山の様子を人に例えて非常におおらかな表現をしています。...

[ 日常生活におけるマナー ]

マナーうんちく話1368《二十四節気の一つ「大雪」と「イルミネーション」》

最近公民館、女性大学、地域、教育委員会、諸団体等からの「年中行事」に関する講演依頼が増えてきました。10日は...

[ 歳時記のマナー ]

マナーうんちく話1367《大切にしたい服装のマナー》

「クールビズ」や「ウオームビズ」が浸透したせいで、服装もかなりカジュアルになり、個性が尊重されるようになり...

[ 日常生活におけるマナー ]

マナーうんちく話1366《子どもにマナーを教えることができますか?②》

この度文部科学省の問題行動調査で、全国の国公私立の小中高、特別支援学校において「いじめ」が224540件発...

[ 親に身につけていただきたいマナー ]

マナーうんちく話1365《幸運を呼ぶ心の持ち方・過ごし方》

「笑う門には福来る」。「上方いろはかるた」に登場する一句です。最新の研究では「作り笑顔」でも、肉体的...

[ 日常生活におけるマナー ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ