コラム

 公開日: 2013-05-15 

マナーうんちく話540≪なぜ「松竹梅」なの?≫

空はどこまでも晴れ渡り、緑のそよ風が吹き、明るい日差しに緑が映え、小鳥がさえずる。
日本の象徴的な初夏の原風景ですね。

いつのまにか天気予報の時間から、「花粉情報」が無くなり、代わって「紫外線情報」が登場していました。

晩春から初夏に移行する時期、気温は低くとも紫外線が増えて来る頃で、対策に苦慮している人も多いと思います。
ちなみに、紫外線は、5月から7月にかけて一番多く降り注ぐそうです。

そしてこの時期になると、日本原産の真竹(マダケ)が旬を迎えます。
香ばしい土の香りや、噛んだ時のシャキシャキ感はまさに初夏の代表的な味わいですね。

ところで、竹の子は食べ物としては、好き嫌いが有りますが、昔から日本では、お目出度いものとして、お祝い事の引き出物や席次の名前にされるのが「松竹梅」です。

今はそうでもなくなりましたが、一昔前の結婚披露宴などのおめでたい席の名前には、必ずと言っていいほど「松竹梅」が登場していました。

また、品物を3つに分類した時の等級などの呼称にもなっています。
今回は、「竹の旬」にちなんで、その由来について触れてみます。

「松竹梅」はもともと中国で、寒い時期にも松と竹は緑を耐やすことなく、また梅は花を咲かすので、「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼ばれており、目出度い意味は有りませんでした。

それが日本では、松は一年を通じ、緑を保っているので不老長寿のシンボルとして、加えて神が宿る木として平安の時代から重宝されていました。
緑を耐えさないのは、神様が宿っていると考えたのでしょうね。

竹は常に緑を耐えさないと言うことに加え、まっすぐ上に伸び、しかもしなりが有るので雪にも強く、加えて破竹の勢いと言われるほど成長が著しいので、室町の頃より縁起が良い食物とされたわけです。

梅は厳寒の中、百花に先駆けて花を咲かすので、松竹に引き続き江戸時代になってからお目出度いモノの象徴とされていたようです。

こうして、松竹梅は縁起物として重宝されていましたが、やがて品物の等級を表現する際にも好んで使用されるようになりました。

寿司屋などで「上」「中」「下」、あるいは、「特上」、「上」「並」とすれば、「注文する方も、「特上」を注文すれば何だか自慢げになるし、「並」にすると卑下するようになるので、「松竹梅」とした方が、客としては注文しやすくなるということです。

語呂がいいのも大きな理由のようです。
実際に「特上」と言うより「松」、「並」と言うより「梅」と言った方が、品良く聞こえますから不思議ですね。

さらにユニークな理由が有ります。
高級料理店では、料理は客の注文を受けてから取りかかるケースが多く、客も結構待たされます。
美味い料理をたべようとすれば、それなりに待つ覚悟が必要です。

待った分だけ、美味しくなります。
つまり「待った(松)」、「だけ(竹)」、「うめー(梅)」となるわけです。
頷けますね。

勿論、松と竹と梅には何ら上下関係は有りませんが、今度、鰻や寿司を食べに行かれたら、是非参考にして下さいね。

それにしても、年中、緑を耐やすことなく、「神を待つ木」として、古来より全ての日本人に縁起を担がれた松が、大気汚染や放射能汚染等により、枯れてしまうような罰当たりな事だけは、避けなくてはいけませんね。




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