コラム

 公開日: 2013-05-02 

マナーうんちく話532≪夏も近づく八十八夜≫

5月は「風薫る」と言われますが、もともと「風薫る五月」と言う言葉は、花の香りを運んでくる春の風だったそうですが、最近では青葉・若葉の中を吹きぬける爽やかな初夏の風を指すようになりました。

同じ風でも、花粉を運んでくる風と、若々しい緑の香りを乗せて来る風とは雲泥の差ですね。

森林浴に出かけ、マイナスイオンを一杯吸収するのに最も適した頃ですから、身も心もリフレッシュされてはいかがでしょうか。

5月4日は「緑の日」です。
「自然と親しむと共に、その恩恵に感謝し豊かな心を育む事」を趣旨として、最近制定された国民の休日です。

ちなみに、その前の5月2日は、国民の休日ではありませんが、日本人には昔からなじみの深い「八十八夜」です。

八十八夜は立春から数えて88日目で、農業を営む人にとっては大変縁起のいい日とされている雑節の一つです

雑節とは二十四節季意外に、季節の移り変わりの目安とされる、ある特定の日の事で、「節分」「入梅」「二百十日」などと同じです。

中でも「八十八夜」がなぜ縁起がいいかという理由は、88を組み合わすと「八」+「十」+「八」で「米」になるからです。

また、八十八夜は、「夏も近づく八十八夜・・・。」と歌われるように、春から夏へと移行する時期で、色々と夏の準備をする日でもあります。
さらに、天気も落ち着き、この頃から茶摘みが始まります。

毎年「茶摘み」の様子は夏を告げる風物詩として新聞に掲載されますね。
そして八十八夜に摘んだお茶は、寿命が延びると言われ、縁起物として重宝されるわけです。


「八十八夜」と「茶摘み」が重なったのは、「夏も近づく八十八夜、野にも山にも若葉が茂る、あれに見えるは茶摘みじゃないか、茜だすきの菅(すげ)の笠」と歌われた唱歌の影響が大きかったようですが、地域により温度差が異なりますので、当然茶摘みの時期もまちまちです、

ところで非常に短絡的な質問ですけど、「お茶」って何だと思いますか?
私たちが通常「お茶」と言うと、大きく分けて二つの意味が有ると思います。

一つは、多種多様なハーブを乾燥した飲み物。
つまり「ハーブティー」等ですね。

もう一つは、椿科の「茶の木」と呼ばれる葉・芽・茎等を使用して作る飲み物。
日本では圧倒的に緑茶の生産量が多いですが、最近はウーロン茶や紅茶も健闘しているようですね。

いずれにせよ、最近の健康志向の追い風を受けて、お茶をたしなむ人は増えました。茶の価値が科学的に証明されるとともに、効能がデーターで裏付けされる時代になりましたから、よりお茶を飲む人は増えて来るでしょうね。

元々、日本のお茶の起源は1200年くらい前に、最澄や空海により中国からもたらされ、最初は薬として上流階級に重宝され、以来、色々と紆余曲折を経て庶民に広がり、現在に至っているわけです。

お茶の製法技術が格段に進歩し、加えて茶に関する多様な文化が形成されたのは、多くの日本人が、日常生活の中に、気軽にお茶を取り入れたいと願ったからだと思います。そういえば「日常茶飯事」と言う言葉もありますね。

「茶道」と言われる文化はさておき、「入れ方」も「飲み方」も堅苦しい決まりが無いのが、日本茶の嬉しいところです。

「お茶が入ったよ」とか「おちゃをどうぞ」の一声で、場がなごんだり、和らいだりして、くつろぎの一時を共有できるのが、日本式のおもてなしではないでしょうか?

八十八夜は、先人の「思いやりの心」や「暮らしの知恵」が凝縮された、日本流のお茶の魅力を改めて実感する日だと思うわけです。

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