コラム

 公開日: 2013-04-12 

マナーうんちく話521≪お心肥し≫

春先に蒔いた種が芽を出し始めました。
趣味の範疇を超えませんが、百姓の最大の楽しみは、蒔いた種が芽を出した時です。

そして、これから必要に応じて水や肥料を施すわけですが、肥料の事を「肥やし」と言うのをご存知でしょうか?
単に「肥(こえ)」と言う場合もあります。

肥えるとは、「人や動物の肉付きが良くなる」「土地が豊かになる」「経験を積んで物ごとの良い・悪い、の判断能力が向上する」等の意味が有ります。

体重が増加した事を「肥えた」とか、痩せた土地に肥料を蒔いて土地を「肥やす」とか、目や口が「肥える」等と表現します。

そして、江戸しぐさの要ともなる言葉に「お心肥やし」があります。
「おこころこやし」とか「おしんこやし」と読みますが、要は食べ過ぎて身体を肥やすのではなくて、しっかり勉強して心を肥やす、つまり心豊かであれと言うことです。

そういえば、今からちょうど半世紀位前の事でしょうか、大学の卒業式で、「太った豚になるより痩せたソクラテスになれ」と、学長が卒業生に贈った花向けの言葉が話題になりました。

当時の日本は、経済の発展期で、食べ物事情も、それほど豊かでは無かったですが、それでも、この訓示は重みが感じられました。

今はどうでしょうか?
今の日本は、食料自給率が先進国中最下位でありながら、世界一の「飽食の国」「美食の国」と言われ、贅沢な食べ物が、腹いっぱい食べられる国になりました。

それ自体は嬉しいことですが、食べ過ぎ、飲み過ぎによる生活習慣病の増大で、多くの矛盾が発生しています。

つまり、物質的には豊かな食事を謳歌しているけど、決して賢い食事ではないと言うことではないでしょうか?

「お心肥やし」は、身体を肥やすのではなく、心を肥やせと説いております。
「しっかり勉強して、学問に精を出せ」といっておりますが、今のように知識だけを詰め込むのではなく、実際に色々な事を体験して、自分で考えて行動することも大事だと教えています。

平たく言えば、知識も深め、人格も磨きなさいと言うことですね。
まさに、「江戸しぐさ」の基本理念である、他者に対する思いやりの心が目覚めるような教えが行われていたと感じます。

人間幾つ歳を重ねても常に勉強することは必要です。
勉強して多様な知識をつけ、心を豊かにして、そして社会のためになる人間になるのが、江戸ッ子としての粋な生き方だったようですね。

しかし、子供にこのようなことを教えるには、教える側の親や教師が、心が肥えていなければいけませんね。

そして、心を肥やすにはマナーに精通することが一番です。
そこで、「岡山ハッピーコミュニケーション」では、子育てに携わる人を対象にした「躾に役立マナー講座」、例えば「生活習慣のマナー」「人間関係のマナー」「社会生活のマナー」さらに「言葉遣いのマナー」等を積極的に展開していく予定です。

特に食事に関するマナーは、より良く生きて行くことに直結するマナーですので、食事を伴いながらの実践的マナーを各地域で、公民館・ホテル・諸団体等とタイアップしながら開催する予定です。ご期待下さい。

人はとかく、美味しい物を食べる事を優先しがちですが、大人も子供もそれだけでは宜しく有りません。

教養を身に付け、人格を磨くことも大切にしなくてはいけないと考えます。




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人づくり、生きがいづくりプロジェクトの岡山ハッピーコミュニケーション

マナー講師 平松幹夫

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