コラム

 公開日: 2013-04-01 

マナーうんちく話514≪「嘘の新年」と「白い嘘」≫

四月は卯の花が咲くので「卯月(うづき)」と言われますが、「卯」とは初めを意味するので、新年度の始まりに相応しいですね。
ただ「晴れの国」で卯の花が咲くのは、もう少し先になります。

ところで、江戸時代の頃は「年度」と言う概念は無く、全ての始まりは正月だったようですが、明治になると「年度」と言う制度が出来、桜の咲く4月が、学校や企業等の年度初めになったようです。

その理由は、単に桜が咲く時期からだからではなく、明治の高等師範学校が四月にスタートし、それがやがて小学校まで普及しと言う説と、当時世界の最列強国であったイギリスに真似たという説が有力です。

以来日本では、桜の咲く時期が入学式や入社式になり、すっかり春を素敵に彩る風物詩になりましたね。

そして、4月1日は「エイプリル・フール」とか「四月馬鹿」等と呼ばれるヨーロッパの習慣が定着しています。

これは日本でも最も普及したヨーロッパの習慣の一つで、正式には「エイプリル・フールズ・デー(April fools day)」のことです。

いわゆる、この日だけは嘘をついて人を驚かしても良いとされる、ウソ公認の日ですね。

但し、この日の嘘は、害も罪もなく、嘘をついた方も、つかれた方も、互いに笑いあえる嘘だというルールが有ります。いわゆる「White Lie」です。

この起源は全く明確ではありませんが、一説によると、16世紀の有る年、一年の始まりとされる4月1日に春のお祭りを楽しんでいたフランスで、王様が急に新年を1月1日に変更したため、それに怒った大衆が、4月1日を「嘘の新年」としてお祭りにし、馬鹿騒ぎしたようになったとか・・・。

日本には昔から「嘘も方便」と言う諺が有ります。
基本的には嘘をつくことはいけないが、時と場合によっては、嘘をつくことも必要な事が有ると言う意味です。

実感として思い当たる人も多いと思います。
特に上に立つ人ほど、頷ける話ではないでしょうか?

何かの拍子に苦境に立たされた時とか、その場を丸く収めなければいけない時に、嘘をつくことは罪悪と知りつつも、好結果をもたらすために仕方なく嘘をつかなければいけないこともありますね。

真実と誠の使い分けも、コミュニケーションのスキルかも知れません。
但し時と場合に寄ります。
特に家族団欒の必要条件は「嘘が無い事」と「思いやりの心が有る事」です。

いずれにせよ、表面上の体裁を整えるだけではなく、周囲の雰囲気や相手の心理を的確に把握して、何事も臨機応変に対応することは難しいですね。
人生経験を積むのが一番でしょうね。

徳川家康は「誠らしき嘘はつくとも、嘘らしき誠を語るべからず」と述べています。

良好な人間関係を築くには、相手に対して、自分をいかに良く思わすかが大切で、真実のみがすべてではないと言う意味です。

しかし、「嘘は雪だるまのようで、長く転ばせば大きくなる」と言われます
最初はほんの取るに足らない小さなウソでも、色々な人に伝わる度に、憶測や誤解が加味され、とんでもない大きな嘘に発展する場合もあります。
くれぐれもご用心を・・・。

嘘をつくのも、つかれた嘘を見破るのも、本当に難しいものですが、いずれにせよ、人を傷つける言葉だけは避けたいと思います。

昔は「四月一日」と書いて「わたぬき(綿抜き)」と読んでいました。
つまり、温かくなってきたので、着物の綿を抜いて袷に仕立て直したのです。
従って、陰暦4月1日は衣替えの時でもあります。

服装もさることながら、弾む心で、今日から爽やかなスタートを切って下さいね。英語のスプリングには「弾む」と言う意味もあるそうですよ。

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マナー講師 平松幹夫

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