コラム

 公開日: 2013-03-21 

マナーうんちく話508≪指切りげんまん、死んだら御免≫

日本では「春は嵐と共にやってくる」と言われますが、中国では「春風が狂うのは虎に似たり」と言われ、さらにヨーロッパでは「3月はライオンのようにやってきて、羊のように去っていく」と言う諺が有ります。

また、色々な説が有りますが、一般的に男性は「女心と秋の空」、女性は「男心と春の空」と形容するように、秋の天気も変わり易いですが、春の天気も変わり易いのが特徴です。
荒れる天気と変わる天気には、くれぐれもご用心くださいね。

しかし、天気がコロコロ変わるのは自然現象ですから致し方ないけど、人の心が度々変わるようであれば、やはり気になります。
特に、一度発した言葉には、出来る限り責任をもちたいものです。

ところで、幼い時に、親子や友達同士で交わした経験をお持ちの方も多いと思いますが、「指切りげんまん」の歌をご存知でしょうか?

「指切りげんまん 嘘ついたら針千本飲ます・・・。」ですね。

家庭・地域・学校・職場等において、信頼関係はとても大切ですが、そのためには約束は守らなくてはいけません。

江戸しぐさは「相互扶助」と「共生」を基本理念とし、不要な争い事を避け、互いに幸せになるためのルールですから、特に約束を守ることに重きをおいています。

今のように契約書を交わすようなことではなく、口約束が主流で、証拠が有るわけではないですが、どんな小さな約束でも、「約束は約束」として大事にしたようです。
約束を破ると言うことは、信用不振に繋がるのでご法度だったわけですね。

ちなみに、「指切りげんまん 嘘付いたら針千本飲ます」の後には、まだ続きが有ります。
この後には「死んだら御免」という文句が加わり、指を切ります。
つまり、「指切りげんまん 嘘付いたら針千本飲ます 指切った」となるわけです。勿論実際に指を切るのではなく、切ったふりをして意気込みを見せるわけですね。

もう少し注釈を加えると、「げんまん」とは「拳万」で、拳骨(ゲンコツ)一万回と言う意味です。

「約束を破ったら拳骨を一万回くらわすぞ、針を先本飲ますぞ」と言う強烈な意味です。

そして、「指を切る」と言う表現は、遊女から出たと言う説が有力です。
当時遊女は客引きのため、度々言葉巧みに嘘をついて客を誘ったので、いざという時には信用してもらえません。

そこで、相手に誠意を示すために指を切ったと言うのが有力ですが、遊女に限らず、戦国の武将たちも信頼の証として指を切ったと言われております。
そういえば、忠臣蔵にも血判状が登場しましたね。
当時の人が、いかに約束を守る事を大切にしていたかが、容易に想像できます。

それでも、人間、いつ、何が起こるか解りません。
何かの拍子で約束が守れないことが有ります。
死んだらそれまでです。

だから、「一度交わした約束は、死なない限りは固く守る」、言いかえれば「約束が守れなかったら死んでお詫びする」と言う意味を込めて、このように歌にして、大人が子どもに解り易く教えたのでしょうね。

当時の人の誠実さや真面目さがヒシヒシと伝わってくる気がしませんか?
非常に荒々しいけど、ライオンやトラのような威厳を感じる言葉でもあります。

今、選挙のたびにマニフェストという「政権公約」「選挙公約集」が注目を浴びますが、格好いい言葉を並べるより、この言葉の重みをしっかり受け止めて頂き、「有言実行」であってほしいものですね。

「指切りげんまん、嘘付いたら針千本飲ます 死んだら御免 指切った」。
現代は、子どもより、上に立つ人ほど噛みしめて欲しい言葉です。

この記事を書いたプロ

人づくり、生きがいづくりプロジェクトの岡山ハッピーコミュニケーション

マナー講師 平松幹夫

岡山県和気郡和気町父井原824番地 [地図]
TEL:090-4573-1062

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

2

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
お客様の声

●●テーブルマナーの本当の大切さが理解できました●●洋食のマナーには自信が有ったので参加しましたが、今回平松先生の講座を受講して「目からうろこ」と言う言葉をす...

出前講座

■絶対聴きたい!《女性会・女性部向け》厳選講座のご案内!商工会、法人会、各種団体の女性部会から、婦人会、地域、企業、サークルまで幅広く対応できる人気講座です...

 
このプロの紹介記事
マナーと自分磨きを指南する平松幹夫さん

美しいマナーを身につけてハッピーな人生を!(1/3)

「マナーは相手への思いやりを表現するためのスキル。形だけでなく、そこに込められた意味を理解したうえで身に付けることで、人間関係を良好にし、心の豊かさを取り戻せると思うのです」と、穏やかな物腰で語りかける平松幹夫さん。マナー講師、講演会講師と...

平松幹夫プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

講演・セミナーが大好評!老若男女をキラキラ魅せるマナー講師

所属 : 人づくり、生きがいづくりプロジェクトの岡山ハッピーコミュニケーション
住所 : 岡山県和気郡和気町父井原824番地 [地図]
TEL : 090-4573-1062

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

090-4573-1062

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

平松幹夫(ひらまつみきお)

人づくり、生きがいづくりプロジェクトの岡山ハッピーコミュニケーション

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
マナーうんちく話1369《幸運を呼ぶ「運盛り」のお勧め》

国土の7割以上を山で覆われている日本では、四季折々の山の様子を人に例えて非常におおらかな表現をしています。...

[ 日常生活におけるマナー ]

マナーうんちく話1368《二十四節気の一つ「大雪」と「イルミネーション」》

最近公民館、女性大学、地域、教育委員会、諸団体等からの「年中行事」に関する講演依頼が増えてきました。10日は...

[ 歳時記のマナー ]

マナーうんちく話1367《大切にしたい服装のマナー》

「クールビズ」や「ウオームビズ」が浸透したせいで、服装もかなりカジュアルになり、個性が尊重されるようになり...

[ 日常生活におけるマナー ]

マナーうんちく話1366《子どもにマナーを教えることができますか?②》

この度文部科学省の問題行動調査で、全国の国公私立の小中高、特別支援学校において「いじめ」が224540件発...

[ 親に身につけていただきたいマナー ]

マナーうんちく話1365《幸運を呼ぶ心の持ち方・過ごし方》

「笑う門には福来る」。「上方いろはかるた」に登場する一句です。最新の研究では「作り笑顔」でも、肉体的...

[ 日常生活におけるマナー ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ