コラム

 公開日: 2013-03-09 

マナーうんちく話501≪三つ心・六つ躾・九つ言葉・・・。≫

学校の現場で「いじめ」問題が日常茶飯事になっていましたが、最近はさらに「体罰」が加わり、教育の現場は由々しき事態に陥っています。

問題が発覚する度に「お詫び会見」や、学者や有識者のコメントがテレビや新聞から発信されますが、いずれも的確に的を射たのは無いような気がします。
まさに、イタチごっこのようですね。

一クラスの生徒の定員、水洗トイレや冷暖房等の環境面、教材等などは、我々の時代から比較すると大変恵まれているにもかかわらず、問題は益々陰湿になりエスカレートするばかりに思えます。

学校と家庭でのあり方がとても大事だと考えます。
そこで、今回は「昔の子育て」を取り上げてみました。
参考になるべき点は多々あると思いますので、最後までお付き合いください。

先ず、奈良時代初期の歌人、山上億良の、子どもに対する、愛情あふれる歌を2種紹介します

『億良らは 今は罷(まか)らむ子泣くらむ それその母も 吾を待つらむぞ』

これは、子を持つお父様に是非参考にして頂きたい歌です。
億良は下級とはいえず貴族ですから、宴会に出席することも度々有ったのでしょうね。宴会の途中で、そろそろ帰らないといけないなー。子供が泣いて私の帰りを持っているといけないから。子どもの母(妻)も首を長くして待っているから・・・。と言う気持ちを詠んでいる歌です。

『銀(しろがね)も金(くがね)も玉も何せむに 勝れる宝 子にしかめやも』

この世の宝と言える金銀財宝も、子どもには及ぶべくもない。
今から1300年くらい前の歌ですが、この頃からいかに当時の日本人が子供を大切にしていたかが想像できます。

さらに「五節句」は、子どもの幸せと成長を祈る節句が大半です。
3月3日の「桃の節句」は女の子が健康で幸せに育つ事を願う行事ですし、5月5日の「端午の節句」は男の子が逞しく成長し、将来立派な大人になる事を願う行事です。加えて「七夕」も子供の習い事の上達を祈る行事です。

そして、『三つ心・六つ躾・九つ言葉・十二文・一五理(ことわり)で未決まる』とは、江戸しぐさの一つで、子どもを一人前の立派な大人に育てようとして、熱心に子育てに取り組む姿勢を示したものです。

「三つ心」とは、「三つ子の魂百まで」といわれるように、3歳までに人としての心の大切さを教えています。

「六つ躾」とは、6歳までに親として子どもに躾ておかないといけないことは躾なさい!と言う意味です。箸の持ち方や、履き物の脱ぎ方等の、基本的なマナーだと考えます。

「九つ言葉」とは、人としてのコミュニケーションの基本です。
但しここでは言葉で発するコミュニケーションが主です。口に出して挨拶をする、お礼を述べる、お詫びをする等ですが、お世辞なども有ったかも知れませんね。

「十二文」とは、最低限の手紙が書けるレベルの文字が書けるようにすることで、「一五理」とは、物ごとの仕組みや意味、情と理の釣り合い等を理解させると言うことです。

要は、3歳頃までは子供に愛情をできる限り注ぎ、6歳頃までにはマナーの大切さや基本を教え、9歳頃までには人への接し方を説き、12歳頃までには読み書きを、15歳頃には物の理屈をわきまえ真実とは何か?を見極める力をつけると言うことで、そのレベルの高さには驚きます。

前にも申しましたが、江戸しぐさは信ぴょう性に欠ける面は有るものの、この頃の躾は今とは格段に厳しく、しかも理にかなっている気がします。

今は本当になにもかも豊かで、贅沢になっていますが、マナー教育の視点から言えば、お世辞にも勝っているとは言えませんね。
まさに、「鉄は熱いうちに打て」ですね。

従って「六つ躾け」は最高の教育方針であり、現代人が一番見習うべきことではないかとおもうわけです。

挨拶等の基本的マナーを、大学生が「就活」で、新入社員が「新入社員教育」受けることは非常におかしいと思いませんか?

少なくとも、これらは義務教育を終えた時点で身に付けるべきことです。
「晴れの国」岡山も教育県の復活を目指しているようですが、基礎教育のみならず、マナー教育にも力を注いで頂きたいと思います。

そのためには、親や教員が率先して、素敵なマナーを身に付けて頂きたいものです。



この記事を書いたプロ

人づくり、生きがいづくりプロジェクトの岡山ハッピーコミュニケーション

マナー講師 平松幹夫

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