コラム

 公開日: 2012-12-14 

マナーうんちく話416≪赤穂浪士討ち入りとマナー≫

12月14日と言えば、日本人なら誰もが知っている赤穂浪士47人が、吉良上野介の屋敷に押し入り、上野介を殺害して、主君の敵を打った日です。

今でも「忠臣蔵」と言う名前で語り続けられています。
ちなみに、「忠臣」とは忠義に厚い家来たちの意味で、「蔵」は大石蔵之助の蔵に掛けた物語だと言う説が有力です。

さらに、12月14日の日付ですが、今ではすっかり年末の娯楽番組として定着しておりますが、なにぶん旧暦の事ですから、今使用されている新暦に直すと、1月の終わり頃になるようです。

しかし、今さら日付を新暦に置き換えることは難しいので、このことはさて置いて、この歴史的な大事件の背景には、当時の「礼儀・作法」が大きく関わっていたことを認識して頂ければと思います。

幕府は正月に、京都から天皇の使者を迎えることになっており、何かと使者の「おもてなしの準備」が忙しかったわけで有ります。

このコラムでも、《訪問と、「もてなしの仕方・され方」》のマナーに詳しく触れていますが、当時、幕府が天皇の使者を迎えることについては、万事において非常に厳格な作法が定められており、想像を絶する大仕事だったはずです。

そして、その勅使の接待役と言う、大仕事を任されたのが、当時24歳の赤穂藩主浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)でした。

この大仕事は、上手くいくと非常に名誉なことですが、同時に、下手をすれば命にかかわるもので、今流に表現すればハイリスク・ハイリターンでしょうか。

しかし、残念ながら、大名といえども、勅使を接待するマナーには精通しておりません。

そこで、専門家から、マナーの指南を受けるわけですが、この時の指南役が吉良上野介です。

恐らく、当時としても、これほど儀礼を尽くした接待は無く、武家階級の礼儀・作法のみならず、公家礼法も駆使する必要が有ったのではないでしょうか。

だから当時は、幕府の儀礼祭典に通じ、礼儀・作法を教える、格式の高い「高家」という家柄が有ったわけです。

そのようなプロに教授して頂くわけですから、万事うまくいけばよかったわけですが、残念ながら、悲惨な結果に終わりました。

その理由としては、吉良氏が浅野氏に接待のマナーを伝授する代わりに、赤穂藩の塩の製法を教えて頂けないかとお願いしたが、断られたので、その腹いせに満足できる作法を教えなかった、と言う説が有力です。

加えて、作法を教えて頂く以上は、授業料が必要になるけど、充分な金額を支払わなかったから、作法も充分教えてもらえなかったと言う説と、浅野氏は元々キレる性格で有ったという説がありますが、定かではありません。

しかし、300年以上も風雪に耐え、現代まで語り継がれた「赤穂浪士討ち入り」の背景には、挨拶の仕方や、もてなしの仕方など、基本的な人間関係のマナーに有ったことは明白な事実のようです。

いつの世も、人が人として心豊かに生きていくには、マナーは必要不可欠なのですね。




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