コラム

 公開日: 2012-08-18 

マナーうんちく話308≪えっ!夏に甘酒?≫

暑い!暑い!と言って過ごした夏の空に、秋の雲がお目見えすると、蝉の鳴き声も変わってきます。

里山でも、公園でも、街の街路樹でも、「ジ―・ツクツクボーシ・ツクツクボーシ」の鳴き声が聞こえてきます。

晩夏から初秋にかけて発生する「ツクツクボウシ」の鳴き声は、まさに夏の終わりを告げる風物詩です。ツクツクボウシは、「つくつく法師」とも書きますが、これは当て字で、その名前は、鳴き声から来ています。

そして、この時期になると、今までの猛暑・酷暑・激暑の疲れがドーンと出てきます。
食欲が落ちたり、身体がだるくなったりで、夏バテの症状が出ます。

特に現代みたいに、クーラーもなく、水道も下水道もなく、衛生面が悪く、医療や医療制度も発達していなかった江戸時代には、この時期に、多くの人々が、暑さで体調を崩し、命を落としたと言われております。

そこで、江戸時代の人は、この状況に、どのようにして対処したのか?

実は、夏バテ対策として目を付けたのが「甘酒」なのです。
ツクツクボウシが鳴く頃になると、江戸の町に「甘酒売り」がやってくるわけですが結構繁盛したそうです。

甘酒には、「必須アミノ酸」や「ブドウ糖」や「各種ビタミン」等が豊富に含まれ、現代医学で使用している「点滴」に匹敵すると言われています。

つまり、甘酒は、江戸の頃から、美味しく、手軽にとれる栄養源の筆頭格で、とっておきの栄養ドリンクだったようです、「夏の季語」にもなっています。


最近、麹を使用した発酵食品が人気を得ていますが、実は甘酒は、味噌・醤油・味醂などと同じように、麹から作る発酵食品です。

麹から作る発酵食品は、長い間、日本人の健康を支えてくれた、日本が誇る食文化だといえます。

また、甘酒は、麹とご飯を合わせて、保温し、発酵すればできます。
たったこれだけで、砂糖が沢山入っている位の甘さになるから不思議ですね。
米のでんぷんが、麹菌の酵素の力でブドウ糖になるからです。

さらに、酒粕から作るのと違い、アルコールが含まれないので、子どもにも高齢者にも嬉しい飲み物です。

そして、それを、暖めて飲んでも良いし、冷やして飲んでも良いし、飲み方はお好みのスタイルでどうぞ。

牛乳や豆乳などで割って飲んでも格別ですし、シャーベットの状態でも楽しめます。酒が好きな人は、日本酒を加えて「ドブロク」風にして飲むのもお勧めです。
ちなみに、江戸の人は、ショウガ汁を加えて飲んだそうです。
「二日酔い防止」のためにも、甘酒を飲んでいたと言いますから驚きです。

このように、甘酒は、寒い時期に飲むのではなく、本来は、晩夏から初秋にかけて飲む、とても身体に良い、美味しい飲み物なのです。
皆さん方の夏の終わりの風物詩に加えて頂き、これから続く厳しい残暑に備えられたら如何でしょうか?

有名タレントによる、派手なコマーシャルは有りませんが、先人が創意工夫して作った、とても賢く、身体に思いやりのある飲み物です。


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マナー講師 平松幹夫

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