コラム

 公開日: 2012-07-30 

マナーうんちく話293≪扇子のロマンと優雅なマナー≫

昨年来の節電の影響も有り、最近「扇子」を使用する人が多くなった気がします。またデパート等でも、クールビズ商品の一環として売り上げに貢献しているようですが、扇子は日本古来の小物としての優雅さや礼が込められており、様々な使い方や意味があります。

暑中の頃、扇子の知識やロマンやマナーをお届けいたします。

「団扇(うちわ)」が7世紀頃、中国から輸入された物に対し、「扇子」は日本で発明され、中国を経由しヨーロッパにまで伝わりました。

団扇伝来から100年くらい経過して、その団扇を、たためるようにした扇子を開発したわけです。
このような技術は、昔から日本人は得意だったのでしょうね。
最初は、「涼しい風を得る」と言うより、薄い板で作られており、それに字を書いて使用していました。

つまり、扇子は日本で作られた「メモ帳」だったわけで、貴族が公の場で使用していたものが、次第に華麗な装飾がほどこされて、高貴な女性が好むようになりました。

そしてその扇子に、恋心を詠んだ歌を書き、宮中で思いを寄せる貴公子に届けたわけです。現在の肉食系女性の先駆者的存在だったかもしれませんね。

やがて、その扇子も、ヨーロッパに伝来し、当時の貴婦人たちに愛用されるようになるわけですが、彼女たちの間では、好きな男性の前で、扇子を開き、目を隠すと、「アイ・ラブ・ユー」の意味になったそうです。

さらに、江戸時代に入ると、扇子は一部の高貴な人の持ち物から、一般庶民にも幅広く使用されるようになり、心と心の交流を意味するようになったり、自分を下げ、へりくだった心を表す意味においても使用されてきます。

例えば、江戸時代にも「お見合い」は盛んに行われていたわけですが、「幹夫」という世話人が、「太郎」と「花子」のお見合いを段取りして、「太郎」が「花子」のことを気にいったら、「太郎」は「幹夫」に扇子を託し、「幹夫」から「花子」に届けてもらい、今後のお付き合いを正式に願ったそうです。
早い話、扇子を託すと言うことは、「あなたを好きになりました」ということですね。

また「座礼」の時にも、相手に礼を尽くすのに欠かせないアイテムになります。
座った時に、自分の膝の前に扇子を置き、改めて礼をします。

相手と一線を置き、自分をへりくだる意味で使用します。
また、結納時などでは、交流を深める意味等も有ります。

加えて、白無垢姿の花嫁の必須アイテムでもあり、親族が留袖を着る際にも「末広」と呼ばれる扇子を使用します。

このように、当時は扇子を開いて使用するより、儀礼的に使用することが多かったようですが、今は逆ですね。

そこで、扇子の優雅な開き方を解説しておきます。
左手で扇子の要(かなめ)を持ちます。次に右手の親指で、骨の部分をずらすように、しずかに、ゆっくり、丁寧に開いて下さい。

そして、ここで是非注意して頂きたいことがあります。
全て開かないで、少しだけ残して下さい。これは大切なポイントですよ!

扇子を全開したら、これから先が無いので、これ以上運が開けなくなるので、今後、運がさらに開くように、残りの部分を少しだけ残しておくわけです、
あえて完璧な状態にしない、日本人ならではの心意気ですね。

次に扇子の仰ぎ方ですが、胸のあたりから静かに、自分の顔に向けて仰ぎます。
但し、目上の人の前での使用はお勧めできません。

加えて、お礼などの金品を、お盆の代わりに扇子に載せて渡す時があります。
この際、要を手前にし、相手の膝の前に要が来るように、廻して差し出します。

扇子は、クールビズの一言で済ますのではなく、色々なマナーを理解し、優雅に使用すれば、暑い時期の凛とした小物になり、品格が漂います。

この記事を書いたプロ

人づくり、生きがいづくりプロジェクトの岡山ハッピーコミュニケーション

マナー講師 平松幹夫

岡山県和気郡和気町父井原824番地 [地図]
TEL:090-4573-1062

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

11

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
お客様の声

●●テーブルマナーの本当の大切さが理解できました●●洋食のマナーには自信が有ったので参加しましたが、今回平松先生の講座を受講して「目からうろこ」と言う言葉をす...

出前講座

■絶対聴きたい!《女性会・女性部向け》厳選講座のご案内!商工会、法人会、各種団体の女性部会から、婦人会、地域、企業、サークルまで幅広く対応できる人気講座です...

 
このプロの紹介記事
マナーと自分磨きを指南する平松幹夫さん

美しいマナーを身につけてハッピーな人生を!(1/3)

「マナーは相手への思いやりを表現するためのスキル。形だけでなく、そこに込められた意味を理解したうえで身に付けることで、人間関係を良好にし、心の豊かさを取り戻せると思うのです」と、穏やかな物腰で語りかける平松幹夫さん。マナー講師、講演会講師と...

平松幹夫プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

講演・セミナーが大好評!老若男女をキラキラ魅せるマナー講師

所属 : 人づくり、生きがいづくりプロジェクトの岡山ハッピーコミュニケーション
住所 : 岡山県和気郡和気町父井原824番地 [地図]
TEL : 090-4573-1062

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

090-4573-1062

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

平松幹夫(ひらまつみきお)

人づくり、生きがいづくりプロジェクトの岡山ハッピーコミュニケーション

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
マナーうんちく話1368《二十四節気の一つ「大雪」と「イルミネーション」》

最近公民館、女性大学、地域、教育委員会、諸団体等からの「年中行事」に関する講演依頼が増えてきました。10日は...

[ 歳時記のマナー ]

マナーうんちく話1367《大切にしたい服装のマナー》

「クールビズ」や「ウオームビズ」が浸透したせいで、服装もかなりカジュアルになり、個性が尊重されるようになり...

[ 日常生活におけるマナー ]

マナーうんちく話1366《子どもにマナーを教えることができますか?②》

この度文部科学省の問題行動調査で、全国の国公私立の小中高、特別支援学校において「いじめ」が224540件発...

[ 親に身につけていただきたいマナー ]

マナーうんちく話1365《幸運を呼ぶ心の持ち方・過ごし方》

「笑う門には福来る」。「上方いろはかるた」に登場する一句です。最新の研究では「作り笑顔」でも、肉体的...

[ 日常生活におけるマナー ]

マナーうんちく話1364《日本人なら知っておきたい12月の歳時》

師走の声を聞くようになると、街行く人達の装いが急に真冬並みになり、木枯らしと共に「山装う頃」から一気に「山...

[ 歳時記のマナー ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ