コラム

 公開日: 2012-05-16 

マナーうんちく話242≪苦情とクレームの対応≫

苦情とクレームは同じように混同して使用されるケースが多いようですが、明確に分けて使用されるケースもあるようです。

●苦情とクレーム
例えば、「レストランで18時に窓際の席を予約していたけど、予約を受けた人の不手際で窓際の席に着けなかった。以後、注意して下さい。」というのが苦情で、これは明らかに、お客様が最初に抱いていた期待感とはかけはなれており、不満や是正を要求されるものです。

これに対し、「18時に予約をしたにもかかわらず、レストランのミスで1時間も待たされ、お得意様の接待が上手くいかなかった。さらに電車に乗り遅れタクシーで送る破目になった。その費用を弁償してほしい。」というのがクレームで、これは、お客様に実質的な損害が発生したため、その損害を要求されるもので、苦情に比較すればかなり深刻さが増してきます。

このように、色々な現場においては様々な「苦情」も「クレーム」もあります。無くすことは不可能ですが、努力次第で減らすことは可能です。また発生したら、いずれも誠意を持って対応することが肝心です。さらに同じ苦情やクレームが再発しないように、必要な対策を講じることも大切です。

●苦情やクレームに対する取り組み方
苦情やクレームを申し立てる人もかなり神経を使います。
出来れば事を穏便に済ませたいものです。また、誰しも憎まれ役は御免です。
それをあえて申したてて下さるのだから、ふてぶてしい態度で接するのではなく、真摯な気持ちで接することが重要です。

こちら側に落ち度があり、それを指摘して頂いたら、前向きに捉えて下さい。
前向きに捉えるとは、単に聞き流すのではなく、反省して改善することです。対応のポイントは下記の通りです。

○先ずは話をキチンと聴くことです
相手の言い分を、少々時間がかかってもキチンと聴いて下さい。このとき注意することは、必ず言われた内容を記録にしたためることです。
場合によっては、再度、話の内容を組み立てることも必要になってきます。

○苦情・クレームに対する事実確認
相手の話をキチンと聴いたら、こちらサイドの確認をとります。
部下や仲間を信頼することも大切です。従って事実関係の確認が取れないうちから、不必要に謝ることはお勧めできません。相手の気分を損ねている事実に対してのみ謝ります。例えば「大変不愉快な思いをおかけして申し訳ございません」でいいと思います。
「相手の言い分」と「スタッフの言い分」を公平に聴き分けることが大切です。この作業はしかるべき立場の人の役目になります。

○事実確認に基づき即日対応
クレームを聴き終えたら、「こちらで大至急確認をとらせていただき折り返しご連絡させていただきます」、と言って相手の了解を取りつけます。
ここで問題になるのが、「折り返し」とは何時頃かと言うことです。

表現の仕方は多様です。「近いうちに」「後ほど」「折り返し」等などは、相手と当方の間に隔たりが生じます。具体的に日時を明確にすることが大切です。
曖昧ないい方を避けて、例えば「明日の午後3時までにはご連絡できると思いますので、大変恐れ入りますがそれまでご猶予をくださいませ」のように・・・。

ただ当日の3時になっても確認ができなかったら必ず、「一生懸命確認作業に当たりましたが現時点ではまだとれませんでした。誠に恐縮ですが、さらに5時間猶予を頂けませんでしょうか?」と言うような連絡は必要です。

○誠意を持って接する
結論はこれに付きます。こちらに落ち度があれば素直にそれを認めることが大切です。言い訳ばかりするのは見苦しいし、相手も不愉快です。誠意のある対応はやがて信頼へと変わる可能性も大です。また、品格も問われるところです。

○その他
相手の地位や職業など、先入観を持たないことも大切です。
さらに、真摯に対応しつつ、相手の人柄も見分けることもお勧めです。

これらの対応は決して楽ではなく、それなりの苦痛を伴うことが大きいと思いますが、ひいては人間力の向上に繋がります。避けて通らないで、真摯に向かい合って下さい。

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マナー講師 平松幹夫

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