コラム

 公開日: 2012-03-06  最終更新日: 2012-04-14

マナーうんちく話210≪仰げば尊しと卒業祝い≫

一雨ごとに確実に暖かくなり、春の訪れを実感できる頃になりました。
そして、その春の訪れを告げてくれるのが、春告草の「梅」であり、春告鳥の「鶯」です。ちなみに、春を告げてくれる草木や鳥は一種だけですが、春を告げてくれる春告魚は色々存在します。例えばソーラン節で歌われている「ニシン」、さらに「メバル」、そして瀬戸内海地方では「いかなご」、加えて岡山県人にはなじみの深い「鰆」もそうです。
また、山々には「霞」がたなびき始める頃でもあります。

そして、この時期の歳時記と言えば「卒業式」ですね。
すでに終わっている学校もありますが、これからという学校も多いと思います。

卒業式と言えば、私たちの世代は、なんといっても、「仰げば尊し」が定番でした。
明治の中頃から謳われ始めた文部省唱歌で、卒業していく生徒や学生が、お世話になった先生や職員に感謝するとともに、在学当時を振り返る歌で、「蛍の光」や「君が代」とともに、忘れ難い歌ですね。

しかし、言葉の意味が難しいとか、立身出世を奨励しているとかの理由で、次第に影をひそめて行ったのはご承知の通りです。一方、師(先生)に対する恩を感じなくなったことも大きな原因ではないでしょうか?

本来、欧米思想であった、「個の尊重」は、今の日本では常識です。
さらに「人はみな平等」という考え方もすっかり根付いています。

しかし、私は日本人が遠い昔から育んできた「和の精神」はいつまでも大切にしなければいけないし、また、「親は子より偉く、先生は生徒より偉くあるべき」だと思っています。

マナーの根源をなすものは、「感謝・敬意・思いやり」です。
在学中に色々な事を教えていただいたことに対し感謝し、それを歌で表現することは、マナーの視点からすると、誠に理にかなっていると思います。
いつまでもとどめてほしい曲ですが、「時代の流れ」とともに、感謝の心も流してしまうのは勿体ない限りです。

子どもや生徒が、親や教師に感謝することは基本的なことです。そして、その感謝の心を具体的に表現するスキルは、学生時代にきちんと修得するべきです。これができないと、社会人になって、多様な人との人間関係は築けません。
何もかも複雑多様化してきたので、躾も教育も本当に難しい時代になったと痛感します。


ところで、卒業という節目に当たり、「卒業祝」や「就職祝」を、したり、されたりするケースが多々ありますので、今回は、それについても触れておきます。

「卒業祝い」も「入学祝い」も基本的には家族・親族など身内で行います。ごく親しい場合は友人も参加します。卒業してこれから社会人になる時には特に祝ってあげて下さい。

お祝いの現金を送る際は、紅白の水引、蝶結び、熨斗つきで、表書きは「御祝」「祝御卒業」「就職御祝」です。

また、お祝いを頂いた場合は、品物での「お返し」は不要ですが、お礼を、口頭か手紙でして下さい。口頭で述べる時はキチンと相手の目を見てはっきりと述べさせて下さい。
手紙は、子どもが小さい時には親が代書しても構いませんが、少なくとも中学生以上でしたらぜひ、本人に書かして下さい。

お祝いを頂いたらお礼をする!
とても大切なマナーです。
また、お礼をする時のポイントは、「すぐする!」です。

卒業祝いも、就職祝いも、子どもが次のステップに移行する大切な節目の御祝です、
一生懸命努力して、「卒業できたこと」や「就職できたこと」を褒めてあげるとともに、家族みんなで食卓を囲みながら、子供の未来を語るのもお勧めです。

そして、その食卓を飾るのは、「和食のテーブルマナー」でお話した、「祝い箸」と「尾頭付き」ですよ。できたら、そのいわれなんかも話題にしていただけたら嬉しい限りです。
家族の絆づくりとは、すなわちそういうことではないでしょうか?






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