コラム

 公開日: 2012-03-01  最終更新日: 2012-04-14

マナーうんちく話208≪お雛祭りと幸せな結婚≫

3月3日は「お雛祭り」ですね。
岡山県下でも、多彩なお雛祭りが各地で開催され、町おこしに一役買っているようです。

お雛祭りは「桃の節句」ともいわれ、女の子の健やかな成長を祝う早春の歳時記です。
今ではすっかりイベント性が強くなりましたが、本来は、女の子同士が、互いの家を訪ねあってお祝をします。そして、ここで、子どもながらに、「おもてなしの仕方やされ方」、さらに、「和の文化」や「和することの大切さ」を身につけていたわけですね。

例えば、訪問する時に履き物を丁寧に揃えて上がること、キチンとした挨拶をすること、着物姿で正座すること等です。また、もてなす側は、桃の花を生け、お雛様を美しく飾り、「ひしもち」「ひなあられ」「白酒」「散らし寿司」等を用意して、おもてなしをします。

ところで、日本には古来より、奇数と偶数では奇数が、左と右では左が上位であるという考え方が有りますが、雛飾りには今でもこの考え方が生きています。

先ず段飾りですが、3段か5段か7段のように奇数の段飾りがお勧めです。
そして、男雛と女雛の位置ですが、実はこれは今、大変複雑になっています。

もともと日本には、身分の高い男と女が、一緒に並ぶ習慣はありません。明治になってもこの状態は続いていたようで、「男女七歳にして席を同じうせず!」という言葉が存在していました。学校でもしかりです。旧制の尋常小学校までは男女共学でしたが、中学・高校では男女別々です。

そんな現状下で、男と女が一緒に並ぶ唯一のものが「雛人形の世界」だったわけです。
そして、明治までは、男雛が左上位の原則に従って左側に位置していましたが、明治維新と共に「西洋のマナー」が入ってから、これが崩れ始めました。ひな人形の飾り方も、当時のイギリス流のマナーの考え方で、必ずしも男雛が左側に飾られなくなりました。

今では、どちらが正しいの?と聞かれたら、私は「どちらも正解です」と答えています。
私が見た限りでは、男雛が左に位置しているのが多いような気がしますが、逆のケースも結構見かけます。

ちなみに洋食のテーブルマナーも、イギリス式やフランス式が同時に入って来たので、いまでもまちまちです。国内の周波数の違いも同じような理屈ですね。

ここで雛人形の付属品の「いわれ」について解説しておきます。
参考にしながらお楽しみいただけたら幸いです。

○「桃の花」は、枝にそって多くの花をつけ、華やかな雰囲気を醸し出してくれるので、女の子のお祭りには欠かせません。魔除け・安産・不老長寿のシンボルです。

○「菱餅(ひしもち)」の、ひし形は心臓を表し、白色は雪、緑色は草、桃色は花、黄色は紅葉で、季節の移り変わりを表しています。3色のもあります。

○「白酒」は、アルコールを含んでいますので子供には無理ですね。
桃の花を刻んで入れた「桃花酒」の名残です。

○「あられ」は本来、貴族階級の人達の携帯用のお菓子です。

○「ちらし寿司」は、見た目も綺麗で、女の子のお祭りにはピッタリですね。

○「ハマグリのうしお汁」も縁が深いです。理由は、ハマグリは全て形が異なり、「対の貝」以外は会わないので、「良縁に恵まれる」との言い伝えがあり、ひな祭りや、婚礼の席で重宝されます。

昔は、花が咲くことを「笑う」と表現したそうです。
これから三寒四温を繰り返しながら、やがて百花繚乱の春を迎えるわけですが、やはり希望に満ちた春は、花の笑顔、そして人の笑顔が良く似合います。
お雛様を楽しむと共に、もてなしの心や美しい笑顔の大切さも再認識したいものです。

余談事ですが、「マナーうんちく話203《いつ飾る?お雛様》」で、二十四節季の一つ「雨水」にお雛様を飾れば良縁に恵まれる」という言い伝えをご紹介しましたが、「雛人形をしまうのが遅れると婚期を逃す」という言い伝えもあります。御用心を・・・。
「いつまでもお雛様を片付けないのは、だらし無い女の子として嫌われ、良い結婚相手がみつからないよ!」という戒めです。

「マナーうんちく話203」の繰り返しになりますが、お雛様は女の子の「幸せな結婚」を応援する、とても大切な行事なのですね。

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マナー講師 平松幹夫

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