コラム

 公開日: 2012-02-20  最終更新日: 2012-04-15

マナーうんちく話204≪情けは人の為にならず≫

「情けは人の為にあらず」。
この諺の意味、皆さんはどのように解釈されますか?

「人に情けをかけても、結局はその人の為にはならないよ!」という解釈は正しくありません。

正解は、「人のためにつくせば、それが巡り巡って、最終的には自分に返ってくる」です。
難解な文法的解釈はさておき、要は誰に対しても、優しく、親切にした方が良いということです。

ところで、「情け」は、実に多彩な意味が有ります。
例えば、「思いやり」「人間らしい心」「他人をいたわる心」「男女間の感情」「風情」「風流心」等です。
「情け心」は「思いやりのある心」、「情け知らず」は「思いやりのない心」、また「情けを交わす」とは「愛し合う」等の意味で良くつかわれています。

そして、「思いやりの心」や「いたわる心」は、「腹の足しにはならない」「経済的な価値はない」などとされ、「情けは質草にならず」という、寂しい感じがする諺が存在します。

一方、自分が受けた恩を、他の人に送り、またその人は次の人に送る。そうして「恩」を程良く循環させ、暖かい世の中を築いていこうとする、「恩送り」という、大変美しい言葉もあります。この言葉は、今ではあまり聞き慣れない言葉になりましたが、恩に報いる「恩返し」とか、恩を忘れてしまう「恩知らず」等の言葉は耳にしたり、口にしたりします。

「なさけ」とか「恩」は、目に見えないし、価値基準もまちまちで、数値化することは困難ですが、昔から日本人の心に脈々と受け継がれていることは確かです。


今、「絆」の大切さが見直されてきています。
人は所詮、一人では生きていけないから、「和」を大切にして、皆で協力し合い、助け合って生きて行こうとしていますが、「情けは人の為にあらず」とか「恩送り」とは、まさに、そのことだと感じます。

ただこのことは理屈では理解できても、いざ実行となると難しい事も多々あります。

先ず、人から受けた「なさけ」や「恩」を、しっかり受け止める感性を持たなければいけません。何もかも順風満帆な生き方も良いですが、挫折を幾多も味わったり、苦労重ねたりすると、それが肥やしになって感性に磨きがかかります。

加えて、人から受けた「なさけ」や「恩」に対し、素直に感謝する心を持つことが大切です。

そして、今度は、自分が人に感謝されるよう思いやりの心を発揮し、それを実行することです。

以上のことは、健全な社会を築いていく上で、一番基本的な事ではないでしょうか?

春はものごとのスタートの時です。
自分磨きに励み、自分を充実させたら、相手に対し、なさけをかけられるようになり、どんどん「なさけ」をかけていきたいものです。
良好な人間関係を築き、絆を育む最良の方法は、他者になさけを掛けることだと思います。

「GIVE&TAKE」もいいけど、「GIVE&GIVE」も、たまにはいいモノです。







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マナー講師 平松幹夫

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