コラム

 公開日: 2011-04-17  最終更新日: 2012-04-19

マナーうんちく話65≪無礼講は本当に無礼講?≫

マナーうんちく話65《無礼講は本当に無礼講?》

無礼講の宴会!本当に羽目を外してもいいの?

新入生歓迎コンパ、新入社員(職員)歓迎会たけなわの頃ですね。
とかく日本では、歓・送迎会、忘・新年会、祝賀会等などの宴会が多い国です。そんな時、上司や幹事から「今日は無礼講だから大いに楽しんでください」と言われたら、どのように対応したら良いのでしょうか?上司の皆さん、新入社員(職員)の皆さん、自信ありますか?
前回の「社交辞令」に続いて、今回は「無礼講」について取り上げたいと思います。

●無礼講の起源
無礼講とは、もともと後醍醐天皇がある戦略会議を開いた時、周囲の者を欺くために、羽目を外した宴会を催し、その「礼節を欠いた宴会」に驚いた人々が、それを「無礼講」と呼んだことに由来します。
ちなみに、その当時の特権階級の人達の宴会スタイルは、席順が厳格で、偉い順に理路整然と成っていたようです。今でも結婚披露宴や改まった宴席ではその名残が多々ありますね。そして、彼らは一度その席に座ると、余程のことがない限り席を立つことをしませんでした。後醍醐天皇が催した宴会は、そのようなルールを全く無視したわけですね。

●無礼講の本当の意味
もうお分かりだと思いますが、無礼講の本当の意味は、「本来ならば席を立ち移動することができない宴席で、自由に席を立ち酒の酌などをすること」と、以前お話しした「上座」「下座」等の席次にこだわらないことです。
さらに砕けると「地位や身分にもこだわらず気楽な雰囲気で行うこと」ですが、私が経験した限りでは、日本のビジネスシーンにおける宴会は、そこまで甘くはないようです。
日本は、同じ組織に属している以上、いつでも、どこでも上下関係は存在しますね。
退職してからも同じようなことがあります。

余談事ですが、ホテルでブライダルや宴会の仕事に携わっている時、特に新郎新婦の両親から、「新郎新婦の親は、披露宴の時に酌をした方が良いのか否か」と言う質問を多く受けました。また互いに相手の動向を伺っているようなケースもよくあります。

このようにほとんどの方は御存じないようです。答えはケースバイケースだと思いますが、予め話し合いをされるのが良いと思います。ホテルのキャプテンクラスは良く知っていますので、気軽に相談されることもお勧めです。

●結局、無礼講といわれたらどうすればよいの?
答えは、「無礼講は、本当は無礼講に有らず!」。「節度はキチンと守って下さい」。
上司が「今日は無礼講で行こう!」等と言う場合は、その目的として、「部下と仲良くしたい」「自分の度量の深さを誇示したい」等の理由が考えられます。決して、「羽目をはずして好き勝手にしなさい」と言う意味ではありません。
無礼講の起源のところで説明したように、意外に部下の本音を探っているのかもしれません。いつの時代も、上に立つ人の考えは変わらないものですね・・・。
こういう時こそ「無礼講」を逆手にとり、株を挙げてください。

●無礼講の飲み会のベストガイダンス
前回に関連しますが「無礼講は社交辞令」「無礼講は部下の本音を探る上司の策略」と捉え、キチンと節度は守って下さい。ただ、折角無礼講といわれたのだから、かたくなになる必要は有りません。次のようにされるのがお勧めです。
①席次にこだわらない。
②席を自由に立って、出来れば先輩、上司、同僚などに酌などしてあげたらいいですね。
③酌をする時、前々回のコラムで話した「お世辞」のひとつでも言って下さい。相手の目を見て笑顔を添えてくださいね。
特に一緒に酒を酌み交わす時は、相手を褒めることです。褒められた方は益々上機嫌になります。間違っても上司や先輩や同僚の悪口は言わないでくださいね。
楽しい話に徹して下さい。時と場合に寄りますが、度を過ぎない限り「下ネタ話し」も小難しい話よりはいいと思います。
④幹事の人は、宴会の趣旨と無礼講の意味を皆に説明してあげたら株が上がります。
マージャンでも初対面のメンバーとする時には必ずルールを決めます。無礼講の宴会も同じようにすれば、より楽しくなると思います。

急に無礼講を宣言されたら、上下関係にこだわっていないようなフリヲして、気軽に席を立ち、酌などしながら一言ずつ前向きの挨拶をして、楽しく盛り上がることです。そうすることにより、無礼講を宣言した人と、心と心の交流が生まれます。

最後に無礼講であろうが無かろうが、宴会とは、飲食をともにしながら、コミュニケーションを深めることです。楽しい会話が不可欠です。その前提は相手に対する思いやりです。
余談事ですが、お洒落して宴会に出席することは、自分のためでもありますが、相手の目を楽しませることができるので、最高の思いやりだと言えます。

この記事を書いたプロ

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マナー講師 平松幹夫

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