コラム

 公開日: 2011-04-09  最終更新日: 2012-04-19

マナーうんちく話61≪名刺と刺身≫

マナーうんちく話61《名刺と刺身》

「晴れの国岡山」もすっかり桜色に染まった今、あちらこちらで素敵な出会いが沢山生まれていると思います。
人生を豊かでハッピーにする様々な出会い。中でも「人との出会い」は格別なものがあります。そして、その最初はなにかと感動的、印象的であり、幾つ歳を重ねても思い出深いものが多々あります。皆様方は如何でしょうか?

そこで今回は、「何事も最初が肝心」ということで、「好感の持たれる名刺交換のマナー」と「名刺交換後のフォロー」について2回に渡り触れてみたいと思います。
1回目は名刺の雑学、いわゆる「名刺の起源」と、余談事として同じような起源をもつ「刺身」について、そして2回目が本題です。

●なぜ「名紙」ではなく「名刺」なの?
名前を書いてある紙だから、本来は「名紙」と表現するのが正しいと思うのですが、なぜ「名刺」なのでしょうか?その「いわれ」について触れておきます。

名刺は世界各国で色々な種類が色々な目的で使用されていますが、最も古い歴史を持つのは中国で、「名刺」の語源もそこから派生しています。
その昔、中国では、他家を訪ねて、その家の人が不在だった時に、玄関の隙間に、自分の来訪を記録しておくための「名前を書いた竹の札」を刺して帰ったそうです。その竹の札を「刺」と呼んでいたために「名刺」になりました。

日本でも名刺は江戸時代頃から同じような目的で使用されたようですが、日本は竹ではなく木だったようです。そういえば古今東西、木や竹の薄片に名前を書くことは多いようですね。
余談事ですが、「国際儀礼」「外交儀礼」の事をプロトコール(protocol)と言いますが、その語源も①議員の名前を書いた木や竹製の名札、②「ここから奥に入ってはいけません」と書かれたベルサイユ宮殿の庭園の竹の札、③ワインのラベル等が挙げられます。

またヨーロッパでも社交界で名刺が盛んに使用されていたようです。加えて、アメリカの「calling card」「business card」も名刺の一種だと言えるのではないかと思います。

日本ではその後、明治維新を境に(特に鹿鳴館の頃)、一部の特権階級の間で社交的に頻繁に使用されるようになったようです。ヨーロッパでもアメリカでも日本でも、当時名刺は一部上流階級のステータスだったわけですね。そして今では、名刺はすっかり日本文化の一つと成り、世界有数の「名刺の交換国」になったのは御承知の通りです。
ちなみに「岡山マイベストプロ」に登録されている情報も、名刺を通じて読み取れるようですね。私はアナログ人間ですので折角の便利なシステムも使いこなせません。

●なぜ「切り身」ではなく「刺身」なの?
刺身も、新鮮な魚介類を生のままで薄く切って食べるので、本来は「切り身」と表現すべきだと思うのですが、なぜ「刺身」といわれるのでしょうか?
どうやら名刺と同じような理屈が存在するようです。

諸説ありますが、次の2つの説が有力です。
①赤身・白身を問わず、色々な魚を切り分けて皿に並べたら、どの切り身が、どんな種類の魚かわからなくなるので、それぞれの切り身の前に、その魚のヒレやエラを串に刺して並べたというのが有力のようです。そして次第にヒレやエラを刺す習慣がなくなり、名前だけが残ったわけですね。
②武家社会では、切る=腹を切る(切腹)を連想するので、切り身ではなく刺身になった。

日本食を代表する刺身は先ず廃れることはないと思いますが、今回の原発事故により、放射能に汚染された水が海水に放出され、魚介類に大きなダメージを受けていることは大変残念です。
半世紀前の水俣の窒素廃液による汚染、そして今回の放射能汚染など、昔の人にとっては全くの想定外でしょうね。
外国の和食レストランもお客さんが全然寄り付かないと聴きますが、耳が痛い話です。

余談事になりますが、刺身の原型は大変古く、鎌倉時代頃からだといわれています。当時は、漁師が釣った魚を生のまま薄く切って、ワサビやショウガをつけて食していたようですが、江戸時代になると醤油が一般庶民にいたるまで普及したので、それにつれ「刺身」も急激に広まり、刺身の付け合わせである多種多様な「つま」等も考案されてきました。
「つま」には、美味、色どり、のほかに香り、毒消し等の効用があるのはご存知の通りですが、当時の人のデリシャスな味覚と英知は、すばらしいものがあったと感心します。

最後に余談事をもう一つ。
地方や店によっては、刺身と言う言葉ではなく「お造り」と表現するところもありますね。
この理由は、「切り身=腹を切る(切腹)」につながるから刺身になったと申しましたが、さらにこだわる人がいて、「刺身=身を刺す」ということになり、縁起が大変悪いので、何かほかのいい方はないかということで、「お造り」と呼ばれるようになりました。元々魚を切る事を「造る」と表現していたようですね。「切り身=造り身」です。
今では、美しく盛られた刺身を「お造り」と表現するところもあるようです。
今夜あたり、熱燗に刺身!如何でしょうか?

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マナー講師 平松幹夫

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