コラム

 公開日: 2017-11-13 

マナーうんちく話1559《「千歳飴」誕生の物語。七五三に秘められた謎②》

「七五三」は「髪置き」「袴着」「帯解き」といった儀礼が、公家や武家のみならず、庶民の間でも行なわれていたようですが、なぜ11月の15日に集中したのでしょうか。

一つ一つのこれらの行事が行われる日付はまちまちでしたが、江戸時代ころに11月15日に落ち着いたようです。

これには色々な説がありますが、中でも、この日は「鬼宿日」と言って鬼が外に出ない日とされているからという説が有力です。
鬼が出ない日だから何事にも良いとされたのでしょう。

また徳川綱吉の息子である徳松の袴着の儀礼を11月15日に行ったので、それにちなんで15日に祝うようになったともいわれていますが、定かではありません。
ちなみに徳松は病弱であったため、その健康を祈願して「袴着」の儀式をとりおこなったものの、その甲斐なくて4歳で亡くなっています。

ところで七五三といえば「千歳飴」ですが、江戸初期から中期にかけて、浅草で販売されたのがその起源だとされています。

いつの時代にも頭のいい商売人はいるものですね。
毎年七五三の時期になると、多くの子連れの親子がお参りに来る姿を見て、飴屋の主人が、これだけ多くの家族が参拝に訪れるのだから千載一遇のチャンスととらえたのでしょう。

この人たちを相手に何か儲かる方法は無いものか?と知恵を絞り、米と麦芽を使って紅白の飴を作ったわけですが、さらに縁起を担いで、飴に「鶴と亀」や「松竹梅」などの目出度い絵を描いて、長い飴に仕上げたようです。

年越しそばの由来は「細く・長く」という意味が込められていますが、飴を長くしたのは延命長寿を願ったのでしょう。

加えて「千歳飴」のネーミングが素晴らしいと思います。
もともと日本には「鶴は千年、亀は万年」の縁起のいい名前がありますが、それにちなんで「長い年月」を意味する「千歳」のネーミングを、あえて飴に付けたのがヒットした原因ではないでしょうか。

なにしろまだ「神の子」と言われ、丈夫に育つかどうかわからない子どもに、縁起のいい飴を買い与えたい親の心理を見事についているわけですね。

これによく似たヒット商品が「ホワイトデー」のお菓子でしょうか。
日本には昔から「返礼文化」があり、バレンタインデーに贈り物をいただいた男性は、そのままというわけにはいきません。

そこで何を、いつ返そうか?と思案するわけですが、あえてバレンタインデーの一月後に贈り物をすることにしたわけですね。

バレンタインデーの爽やかな愛に相応しい「純白」を意味する「ホワイトデー」のネーミングも受けたようですね。

色々書きましたが、早い話「千歳飴」も「ホワイトデー」も、関連業者が巧みに仕掛けた販売グッズでということでしょうか。

でも出生率が低下し、少子化が進展し子どもが少なった現代において、七五三の意味や意義は大変大きいと思います。

またいつの世も子は国の宝です。
皆で暖かく見守っていきたいものです。

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