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コラム
公開日: 2017-04-21
マナーうんちく話1448《「花水木」と「返礼文化」と「国際儀礼」》
桜がすっかり「葉桜」になりました。
日本人の桜好きは特別で、桜の花が咲くプロセスを「一分咲き」「五分咲き」「満開」等と詳しく分類しています。
さらに「散り始め」等と散っていく様子まで克明に表現してきましたが、散りゆく姿にまで「花吹雪」等とお洒落な名前を付け、散った後にも「葉桜」と名付けました。
これほど一つの花に執着する文化は非常に珍しく、日本人がいかに桜をこよなく愛してきたかということでしょうね。
そして、桜の次は「花ミズキ」の季節です。
1世紀以上前の出来事ですが、1912年当時の東京市長であった尾崎行雄がアメリカのワシントン市に、桜の苗(ソメイヨシノ)をプレゼントしたわけですが、その返礼としてアメリカから贈られてきたのが「花ミズキ」です。
花期は丁度四月下旬から五月上旬で、白や薄いピンクの花を咲かせますが、秋には紅葉が楽しめます。
花言葉は「返礼」「私の思いを受けて下さい」などです。
日本には「内祝」「香典返し」「おうつり」、またバレンタインデーのお返しの「ホワイトデー」等といったお返しの文化が根付いていますが、国際社会にもあります。
「プロトコール」という言葉をご存知でしょうか?
国を超えて人、物、金、情報等が行きかうことを国際化と言いますが、それが著しい昨今、外交上のしきたりや異文化尊重はとても大切です。
プロトコールは国と国との間で取り交わされる儀礼上のルールですが、五つの原則が有ります。
序列、右上位、異文化の尊重、レディーファースト、そして「答礼・相互主義」です。
プロトコールと日本の礼儀作法には似ている点も有れば、異なる点もあるので知識として身につけておくことが大切です。
「異文化尊重」は日本でも「郷に入れば郷に従え」という言葉が有ります。
「序列」は相手との力関係を示すものですが、日本にも上座と下座の概念が有ります。
「返礼」もそうですね。
このコラムでも日本の返礼については詳しく触れていますが、国際社会でも、世話になったら、お世話をしなければいけません。
相互交流が大切です。
例えば、ペリー艦隊が日本を訪れた時に当時の江戸幕府は「懐石料理」で艦隊の一行をお持て成ししています。一人当たり非常に高い経費を掛けたご馳走だったそうですが、その返礼として今度は黒船の上で日本政府の役人がお持て成しを受けています。
牛や豚やチキンなどの豪華な料理だったそうですが、ここでも持て成しをしたり、されたりする文化が有りました。
花ミズキが美しく咲く頃はいつもこのことが頭をよぎりますが、国際交流においては、相手国の文化や歴史や国民性、さらにしきたりなどを尊重することが求められます。
ところで日本は昔から「和」を持って平和を維持してきましたが、「平和は武力で保たれる」という捉え方もあります。
平和を力で追及する国と、和で維持しようとする国。
互いの習慣やしきたりの違いを尊重し合うのがプロトコールですが、最終的には「心」ではないでしょうか?
互いを思いやることが出来れば世界はもっと平和になると思うのですが・・・。
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