コラム

 公開日: 2016-10-01 

マナーうんちく話1323《淡いを感じる10月の歳時記》

今年は9月の下旬まで残暑が続きましたが、10月の声を聞くと、暑さも和らぎ、天高く、何をするのも快適な季節になります。

しかしその一方では10月も中旬になれば稲刈りも終え、閑散としてくるので、侘びた季節を予感させる要素も加わります。

「白秋」と呼ばれるように、秋の色が白で表現されるのはそのためかもしれませんね。

また、ふと人恋しくメランコリックな気分になり、寂しさが顔をのぞかせたりします。年を重ねるごとにこの傾向は強くなるような気がするのですが、如何でしょうか・・・。

花の心得が有るかたは、10月に使用する器は、一抹の寂しさを感じるような物を使用するという話を聞いたことが有ります。

気温はほとんど同じでありながら、何もかも生き生きとし、生命力が漲る春とは全く異なるということでしょうか。

そういえば春は彼岸を過ぎれば昼が長くなりますが、秋は日毎に夜が長くなり気分も晴れ晴れとしませんね。

そして草花もそろそろ少なくなる頃です。
菊が中国では「四君子」と言われる所以は、秋が深まり、花が少なくなる時期に、凛として高貴な香りと共に美しい花を咲かせるからです。

このように花が少なくなってくるのも百花繚乱と表現される春とは大きく異なりますが、そうかと言って10月は紅葉には早いですね。

淡い感じがするのが丁度これからだと思います。
日本の四季の美しさは世界中の人がうらやましがるところですが、四季の変化は急激ではなく、長い時間をかけてゆっくりと変化していきます。

本格的な秋を迎え、これから秋の深まりが少しずつ実感できるのが今の季節ですね。だから味わい深いのだと思います。

美味しいものが溢れ、天高く馬肥ゆる秋で、食欲の秋と表現されますが、グルメにとっては最高の季節になりそうです。

加えてスポーツや芸術等多彩なイベントが目白押しになる時期でもありますね。
何かと慌ただしい中にも、たまにはじっくりと日本の秋を探求するのもお勧めです。

舌で味わいたい旬の味覚、心に焼き付けたい故郷の秋風景、その土地ならではの歴史や文化等、いずれも日本の大切な財産です。

日本には未来に伝えたい秋が沢山あります。

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