コラム

 公開日: 2011-02-01  最終更新日: 2012-04-20

マナーうんちく話42≪節分。豆まき、恵方巻き、鰯に柊≫


マナーうんちく話42《節分。豆まき、恵方巻き、柊に鰯》

「1月はいぬる(去る)」と言いますが、あっという間にいんでしまった気がします。また、「2月は逃げる」といわれるので、この調子だと2月も早く逃げて行きそうです。
年のせいでしょうか、最近月日の流れがとても速くなった気がします。
皆様方は如何でしょうか?

今日から2月。「着更着」「如月」。一年のうちで最も寒い頃なので、着物を更に着る季節でもあり、寒さの中でも季節は徐々に陽気になり草木が生え始める季節でもあります。

そして3日は「節分」。「豆まき」「恵方巻き」「鰯と柊」に触れてみたいと思います。

◆「節分」とは
読んで字のごとしで「季節を分ける」ことを表します。従って本来は、立春、立夏、立秋、立冬のそれぞれの前の日は皆節分です。しかし、新年の始まりに当たる「立春の前の節分」に重きがおかれたので、節分と言えば現在のようになったという説が有力です。

◆節分の日に行う行事
「豆まきをしてその豆を食べる」「恵方巻きを食べる」ことはおなじみですが、「柊(ヒイラギ)の枝に鰯の頭を挿して、それを戸口に挿す」しきたりもあります。

○豆まき
節分の習慣や習わしは、全国津々浦々、多種多様です。豆まきのスタイルもしかりですが、これには「厄を払う」と言う意味があります。
季節の変わり目におこりがちな、災難や病気を鬼に見立て、それを追い払い、福を呼び込む行事だから、「鬼は外、福は内」と叫びます。

日本では古来より、米、麦、粟、稗、豆(大豆)を「五穀」と呼び大変大切にしてきました。今でも収穫期の秋には「五穀豊穣」を祈念し、全国各地で様々な行事が行われています。そして、その五穀には「邪気を払う力」があるとされていました。また大豆は生でなく炒った豆を使いますが、これは鬼が嫌がる「火」の気を帯びさせるためです。

豆まきが終わったら、鬼を締め出し、福を逃がさないように、ただちに戸締りをして、家族全員で豆を食べます。「年取り豆」といって、自分の年の数だけ食べます。我が家では昨年収穫した大豆で豆まきを行う予定です。

ちなみに豆まきの豆は「大豆」のことで、豆腐、揚げ、おから、豆乳、味噌、醤油、納豆などの原料です。日本でも古くから栽培され、古事記にも大豆の記録が残っているそうです。夏にビールのお供になる「枝豆」は、まだ青い(若い)内に収穫したものです。英語はSOYBEAN、醤油はSOY-SAUCEです。

○恵方巻き
節分に食べると縁起の良い食べ物として静かなブームだったものが、今やすっかり全国に定着した感じです。最近ではおせちやチョコレートと同じく、季節の目玉商品になり、年々販売合戦が強化されているようです。
食料品店、スーパー、コンビニ、デパートなどでは新商品の開発にも力が入り、デパートでは伊勢海老、タラバガニ、ウニなどの高級食材を使用し、中には1本10000万円を超える恵方巻きもでてきましたね。中華や洋菓子の世界にも登場し、年々多様化されてきたのは驚きです。先日、岡山で恵方巻きのサンドイッチもみかけました。

○イワシの頭を柊に挿し、それを戸口に挿す
イワシの独特の臭いは御承知の通りですが、そのイワシの頭を焼き、その悪臭と、さらに柊の棘(トゲ)で、悪い鬼を遠ざけるという意味が有ります。
柊は日本では昔から邪気を払うと信じられ、庭木にもよくつかわれています。また棘があるので、防犯用の生け垣にも用いられています。一方、北欧では大変尊い木とされ王冠のマークにもなっています。クリスマスケーキにも載っています。


このように節分の色々な行事には、「厄払い」と「開運」と言う大きな願いとともに、春の訪れの期待感もあります。

さらに、古来より伝わる日本人の思いにも触れることができます。例えば、豆まきは年男と年女のように干支に関する「年齢の節目」、恵方巻きを食べる時にその年の縁起の良いとされる方向に向うという「方位と吉凶」、悪臭で持って邪気を払うという「臭い」などに気配りをしていたようです。

インターネット万能の現在でも、鍬入れ式、棟あげ式、玄関や台所の位置、厄払いの儀式など、その名残は多々見られます。


最後に、皆さんは「節分草」と言う花をご存知でしょうか?
丁度節分の頃に僅かな期間だけ咲き、瞬く間に休眠するので、「春の儚い命の一つとされている」とても可憐な花です。春の花が一斉に咲く頃は、地下にもぐり、人間に見られるのを嫌がっているようですので、花言葉は「人間嫌い」「微笑み」です。福寿草や二輪草は仲間です。

最近では「節分=恵方巻き」になってしまい、節分草は話題に上りませんが、春の訪れを実感させてくれる貴重な存在です。

節分の意味や日本の伝統としきたりに思いをはせるとともに、四季の美しい国において、季節の移ろいを愛らしく彩る花にも、親しみを持っていただければ嬉しいです。
そして4日は24節季の一つ「立春」です。
春の気配が現れる頃になります。


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マナー講師 平松幹夫

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