コラム

 公開日: 2016-09-02 

マナーうんちく話1298《小さな秋を心豊かに彩る「秋津」と「秋桜」と「秋茄子」》

小さい秋を目で、耳で、舌で感じる頃ですが、空を眺めると入道雲と鱗雲が交互にかかり、夏と秋が葛藤しているのが感じられます。

その空にスーと現れるのがトンボです。
トンボの古い名前は「秋津」ですが、それこそトンボは秋を代表する虫だったのでしょうか。

ちなみに日本の国も昔は「秋津州(あきつしま)」と呼ばれていたそうです。
空には鱗雲がかかり、田んぼには稲穂が首を垂れ、野山には赤トンボが飛び交っていた風景が思い浮かびます。

かの有名な作曲家の山田耕作も、夕暮れのそのような状況をみて「赤トンボ」の曲を作ったのでしょうか・・・。
日本人には古くから親しまれている曲ですがその理由がよく解る気がします。

秋の虫が蜻蛉なら「秋の桜」をご存知でしょうか?
赤、ピンク、白の花を可憐に咲かせるキク科の花「コスモス」ですが、「秋桜」がコスモスになったのはまだそんなに長くは有りません。

1977年に山口百恵さんが歌って大ヒットした有名な曲「秋桜」が有りますが、実はこれが大きな影響を与えたようですね。

コスモスはメキシコ原産で、日本に入ってきたのは江戸時代だと言われていますが、今のように多くの人々に愛されるようになったのは明治になってからだそうです。

そして秋野菜と言えば「ナスビ」でしょう。
本来は夏にとれる野菜ですから「夏実(なつみ)」と呼ばれていたようですが、秋になると栄養を一杯蓄えてさらに美味になります。

ちなみに茄子は水分をたくさん欲しがるので水やりが大変ですが、霜が降りる頃までは楽しめます。

ところで「秋ナスは嫁に食わすな」と言われますが、封建的な家族制度で生まれた嫁いびりの説と同時に「おもいやり」の意味もあります。

「秋ナスは身体を冷やすので妊娠中の嫁に食べさせたら体を冷やすので注意しなさい」とか、「秋ナスは種が少ないので子どもが出来づらくなるのでたべないように」といった、姑が嫁を気遣う意味が有ります。

加えて「ヨメ=夜目=ネズミ」になるので、「美味しい物をネズミに食べられないように注意しなさい」という意味もあるようです。

秋の風物詩であるトンボは古くから、前に真っすぐに飛んでいるように見えることと害虫を食べるので、日本では縁起の良い虫とされています。

また秋の風にかわいらしく揺れるコスモスは清らか、可憐、愛情などという花言葉が存在します。

また秋ナスの紫はポリフェノールを多く含み身体に良いとされています。

加えて「秋」の語源は「食べ物が飽きるほど出回るから」だとされています。

このように、なにかと前向きになる要素が多いのが秋です。
前向きの気持ちで、元気にご活躍下さい。

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マナー講師 平松幹夫

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