コラム

 公開日: 2016-07-10 

マナーうんちく話1257《日本の夏を楽しむ美しい言葉「水菓子」》

私が住んでいる「晴れの国」岡山は天災が少なく、温暖な気候で非常に住みやすい地域です。原発もありません。
そして「果物王国」です。

先日近くの友人から採りたての「白桃」を頂き、今年も早速夏の味覚を楽しみ
みました。

そのうちブドウも届く予定ですが、日頃から近くの生産者の皆様方と、豊かな人間関係が築けているお陰で、旬の果物が手軽に手に入ることを感謝しています。

そしてそれを毎年知人・友人に届けるわけですが、その際添え状には「今年も旬の水菓子を頂いたのでお福分けします。」という旨の言葉を添えています。

さて「水菓子」とはなにかご存知でしょうか?

料亭などで会席料理を食べ慣れている人はご存知だと思いますが、殆どの方はご存じないと思います。
私も最初はよく、「モモやブドウと水菓子」の関係について質問を受けました。

実は昔は果物の事を「水菓子」と呼んでいました。

今は、果物は果物と呼び、あえて水菓子といえば、水分の多い菓子のイメージが強いですね。
水分を多く含んだ菓子は「生菓子」と表現されます。

言葉は生き物で、時代の流れと共に、本来の意味が変化してくることもあります。「五月晴れ」もそうでしょう。
昔は「水菓子」=「果物」でしたが、今は「菓子」=「菓子」ですね。

白桃は今が旬の岡山を代表する味覚であり、優しい香りがして、甘くてとろけるような味がします。

そして「みずみずしい」とか「フルーティー」という言葉がとてもマッチします。だからこそ私は、あえて「水菓子」という言葉を使用しています。

ちなみに誕生して、かれこれ10年位になるでしょうか?
「スイーツ」という言葉があります。

菓子やデザート類を総称してスイーツと呼びますが、日本人女性にすっかり受け入れられたようです。

さらに今では和菓子や洋菓子、加えて果物までさすようになり、今や英語のスイーツという単語を知らない人はいなくなりました。

一方「水菓子」が果物を意味することを知っている人は殆どいないでしょう。

「七夕」や「仲秋の名月」や「十三夜」も同様です。
しかし西洋から入った「バレンタインデー」や「ハロウィンデー」を知らない人は少ないのが現状です。

これが国際化のもたらす現象だとしたら大変恐ろしい気がします。
食文化や伝統行事の本質を取り違えたらいけないと思います。

だからテーブルマナー講座や講演では、いつもこのような話しをしています。
共感して下さる参加者が多いので、この点は嬉しく思います。

なにもかにも西洋かぶれすること無く、自国の文化は大切にしたいものですね。
特に平和な社会背景から生まれた日本の礼儀作法は「思いやりの心」が凝縮されているので世界平和に貢献できると確信しています。

この記事を書いたプロ

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マナー講師 平松幹夫

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