コラム

 公開日: 2016-07-08 

マナーうんちく話1255《気品と優雅さが要求される「扇子」の知識とマナー》

「生物規則観測」をご存知でしょうか。
気象庁が気候の変化や季節の進み具合などを調べるために続けていますが、このコラムでも何度も登場した「うぐいすの初鳴き」や「蛍の初見」等があります。

連日猛暑が続いているせいでしょうか夏の使者アブラゼミの初鳴きも例年より早まっているようですね。

そして近年、暑さが本格化するとクールビズ商戦のせいでしょうか、扇子を使っている人をよく見かけるようになりました。

元は貴族の小道具ですが、今の日本は物が豊かになったお陰で誰でも扇子を気軽にもつことが出来ます。

問題はその使い方ではないでしょうか。
扇子はなんといっても「気品」とか「優雅」という言葉がお似合いです。
そこで扇子の知識や使い方に触れておきますので参考にして下さい。

扇子の語源は「あおぎ」で、扇ぐために日本で作られた小道具です。
今の日本では純国産が珍しくなりましたが、扇子は数少ない国産の夏場必須小道具と言えるでしょう。

日本から中国に渡り「扇子」と呼ばれるようになり、日本に再度伝わったといわれています。

ところで、なぜ扇ぐのか気になりませんか?
扇ぐ目的は二つあります。

一つは「風を起こすため」で、もう一つの目的は「邪気を払う」ためです。

今のように医学や科学が発達していなかった当時は、病気や災いは邪気がもたらすためと考えられていたので、様々な形で邪気払いが行われました。

前回触れた「五節句」には、季節の節目に出没しやすい邪気を払う為に、エネルギーが満ちた旬の植物を積極的にとっていたわけですが、それも典型的な邪気払いです。

さらに、匂いやトゲのような形にも邪気を払う効果を求めるわけですが、扇ぐ方法はユニークですね。

日本の伝統的な儀式や文化や芸能には扇子の存在が不可欠になっていますが、なんとなく理屈が解る気がします。

そして扇子を広げると「末広がり」になります。
だから扇子の事を「末広」ともいい、未来が広がる縁起の良い小道具としても重宝されます。

結婚式の際、新郎新婦のお母さんや仲人の奥様が立礼の際、留め袖姿で扇子を両手で持ち、お客様をお迎えする姿がまさにそうですね。
親族一同の集合写真の時もしかりです。

加えて何かの本で読んだ記憶がありますが、江戸時代に太郎と花子がお見合いをして、太郎が花子を気にいれば、太郎は仲人に扇子を渡し、花子に届けて頂いたとか・・・。
二人の仲の末広がりを祈ったわけですね。

このように多彩な意味を有している扇子ですから、優雅に使用したいものですね。次回に続きます。

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マナー講師 平松幹夫

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