コラム

 公開日: 2016-06-08 

マナーうんちく話1232《終わった後の食卓にはその人の品格が出る》

燕が子育てに忙しくなりましたが、燕が益鳥と呼ばれる所以は、稲や野菜に害を与える虫を食べてくれるからでしょう。

ところで農事の目安になる二十四節季をさらに三等分した、つまり一年を72にわけた「七十二候」では、只今「かまきり」が生まれる頃ですが、かまきりも稲や野菜には被害を及ぼさず、害虫だけを食べてくれるので益虫とよべるかもしれませんね。

そして梅雨の声を聞くようになると、市場には小梅がお目見えします。
梅は「春告げ花」として古来より日本人に愛されてきましたが、花を楽しみ、実を味わうことが出来る貴重な木です。

梅の実は生食にはあまり向いていないので、「梅干し」や「梅酒」に利用されますが、米と相性がよく日本人とは切っても切れない関係です。

また紅梅、黄梅、寒梅、観梅など梅に関する熟語や慣用句は沢山ありますが、「塩梅」という言葉も有名です。

本来は塩と梅酢のことで、それが料理の味付けの基本だから、料理の味加減を整える意味になり、次第に物事を調整するとともに、身体の具合を意味するようになりました。

現在の日本人は食べることにも大変恵まれており、美味しく、楽しく、贅沢に食を謳歌する事が出来る国になりました。
では、自分自身で総体的に「良い食事だった」と満足感を味わうことがどのくらいありますか?

つまり、食べる物や食べる環境が良かった食事のことで、自分も美味しく楽しく食べられて、同じ食卓を囲む人も同じように満足が味わえる食事です。

テーブルマナーに取り組んで40年近くになりますが、テーブルマナーと言えば「食べ方」すなわち、食べている時の姿をイメージする人が圧倒的に多いようですが、確かに食べる時の姿が美しいことも大切です。
しかし、食べ終わった時の状態はさらに大切です。

「終わりよければすべてよし」と言われますが、特に食べ終わった時の器やフォーク・ナイフ・スプン、あるいは箸には特に注意して下さい。

食べている時は、一皿食べ終わればすぐに器が下げられて、次の料理が運ばれてきますが、食事が終了した時の器やフォーク・ナイフや箸は長時間そのままになります。

食べ終わった状態が一番人目に触れるということです。
だから、食べ終わった後の印象がよければ、同席者やサービスを担当する人に好感を与えます。

具体的には、箸をキチンと箸置に揃えて置く、フォークやナイフの場合は刃先を手前にして揃える。さらに食べ残しをしない、器はなるべく綺麗な状態にしておく。特に一匹丸ごとの魚でしたら頭や骨は一ヵ所に纏める等です。懐紙の有効利用もお勧めです。箸やナプキンの汚れにも注意したいし、割れ箸はキチンと袋に入れる等です。

加えて、料理を作ってくれた人、サービスを担当した人には満身の笑顔で「ご馳走様」の挨拶をお忘れなく。

お金を払う時にも、その人の人柄がにじみ出ます。
笑顔で「美味しかった」「ご馳走様でした」の言葉を是非添えて下さい。
支払いの時は「機嫌良く」が鉄則です。

そしてなによりも「同席者」にもお礼の一言が必要です。
「○○さんと楽しく食卓が囲めて充実した時間が過ごせました」等の言葉が有れば最高です。

お開きは、デザートを食べ終わってから20分以内が目安になりますが、臨機応変にどうぞ。

カマキリは確かに益虫ですが、肉食性が非常に強く、雌が交尾中に雄を食べてしまうこともあるそうです。
何でもおいしければ食べてもいいのではなく、人間は食べるという行為に心の美しさを加味して「テーブルマナー」という文化を作りました。

そのテーブルマナーで特に大切にしていただきたい点が「立つ鳥跡を濁さず」です。

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