コラム

 公開日: 2016-06-06 

マナーうんちく話1231《紫陽花はなぜお寺に多いの?》

春になり菜の花が咲く頃の長雨を「菜種梅雨」といいますが、初夏を迎え梅の実が熟すころに降る雨は「梅雨」と表現されます。

二十四節季のひとつ「芒種」と共に全国的に梅雨入りしたようですが、これからしばらくは雨との付き合いが続きそうですね。

様々な生活の中で、しっとりとした風情を感じるのもいいかもしれません。
しかし梅雨は「黴雨」です。
食中毒等には特にご注意ください。

ところで梅雨の時期を代表する花と言えば「ツユクサ」や「アジサイ」でしょうか。

ツユクサは早朝に咲き午後にはしぼんでしまうので、露のように儚いもの象徴とされたので「露草」と書きますが、英語ではその日にしぼんでしまう花を意味する「dayflower」です。

そしてアジサイの語源は様々ですが、「集真藍(あづさい)」が有力で、藍色が集まったものを意味します。

今は品種改良のせいで、色々な色の紫陽花が楽しめますが、最も古い日本原産の紫陽花の色は青色だそうです。

これから全国各地で「紫陽花祭り」が開催されますが、紫陽花とお寺との関連は深く、全国各地に「紫陽花寺」と呼ばれるお寺が存在します。

なぜ紫陽花がお寺に多いのか不思議に思ったことはありませんか?

全ての紫陽花寺に共通する明快な答えは有りませんが、考えられる要素をいくつかあげてみますので、参考にして下さい。

○その昔、お寺は戦いの拠点になることが多々あったので、水に恵まれていることが条件になります。つまり古いお寺は水に縁が深く、紫陽花が生育する条件が整っていた。

○紫陽花とよく似ている「アマチャ」との関係も有力な説のようです。
4月8日の「灌仏会(かんぶつえ)」、つまりお釈迦様の誕生日には、アマチャの行事がとりおこなわれますが、アマチャは紫陽花の変種だと言われています。

紫陽花の多いお寺にはアマチャの木が多いようです。
ちなみに、アマチャは乾燥させると甘いお茶になりますが、煎じて飲めば薬効もあるとか・・・。
但し紫陽花は有毒物質が含まれているので食べたり飲んだりはできません。

「日本人の好きな花」のランキングで、第1位は「桜」、続いて「チューリップ」「バラ」「コスモス」と続きますが、紫陽花は数ある花の中で見事10位に入っています。

もともと奈良時代に作られた最古の詩集「万葉集」にも登場するほど、長い歴史を有しますが、今のようにベスト10入りするくらい人気が出たのは戦後のことで、各地とも観光資源として力を注ぐようになりました。

だから毎年この時期になると「梅雨の風物詩」として、テレビで取り上げられたり、新聞の第一面を飾ったりするのでしょう。
さらに紫陽花観賞ツアー等も人気を呼んでいます。

梅雨時期のしっとりした佇まいの中、鮮やかな色の紫陽花を見ると、心が和みますが、雨にぬれて静かに咲いている風情が日本人の感性に響くのでしょうね・・・。

加えて紫陽花と言えば「シーボルトとお滝さんのロマンス」も有名ですが、マナーうんちく話977《女性の社会進出と求められる品格①》をご覧ください。
紫陽花通になれそうです。

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