コラム

2016-05-17

マナーうんちく話1220《日本のマナーの成り立ち「公家有職」から「武家故実」まで》

今まで一口にマナーと言っても国々により表現方法が異なり、さらに時代の流れと共に変化すると申しましたが、実はそのような違いを超えて、普遍的であり共通なものがマナーの本質と言っていいと思います。

そこで、今回は大前提として「日本と西洋のマナー」の流れや違いなどに触れてみますので参考にして下さい。

【日本のマナーの成り立ち】
始めて成文化された日本のマナーといえば聖徳太子の「憲法十七条」及び「冠位十二階」と言えるでしょう。
そして諸外国でもそうですが、身分制度が存在していた時代はライフスタイルが身分により様々ですからマナーも複雑になります。

●「公家有職」と「武家故実」
憲法十七条や冠位十二階は、飛鳥時代に朝廷に勤務する官僚を対象にしていますが、当時のマナーは法律の様なもので、官僚たちの心構えについて説いています。当時のマナーは政治の根幹を成すものと考えられていたのでしょう。

そして貴族社会では「公家有職(くげゆうそく)」が存在していましたが、武士が台頭する頃には「武家故実(ぶけこじつ)」が成立します。

また天皇を中心とした貴族政権が繁栄すればするほど、貴族にはそれを維持する必要性が生じ、複雑多様なマナーが生まれるわけですが、これをキチンと伝えることが大切です。そこでマナーを伝える「有職」と言われる仕事が生じ、式典や儀礼等の専門家として位置づけられるようになります。この有職が貴族体制を維持したと思われます。

さらに時代が移り武士の台頭と共に「有職」に対するマナー、つまり質実剛健に重きを置いた「故実」が生まれました。その後「有職」と「故実」が合体して「有職故実」が生じて、公家と武家が絡み合ったマナーが確立されます。

●小笠原流礼法
室町時代になると足利義満により「小笠原流礼法」と「伊勢流礼法」が確立されますが、伊勢流は跡継ぎがいなかったため、小笠原流礼法のみが現在へと受け継がれてきました。

江戸時代になると平和な時代が長く続くようになり、マナーの存在意義も平和な社会を維持するためのものになり、武家のみならず一般庶民にも広まっていくようになります。「衣食足りて礼節を知る」と言う言葉がありますが、平和が長く続くと多彩な文化が生まれ生活もかなり楽になります。一般庶民も衣食住が安定すると次第にマナーに関心を寄せるようになるわけですね。そうなると町人にマナーを教授する職業人も出てきます。

●江戸時代のマナーの特徴

江戸時代に確立されたマナーの特徴は、権力者の体制維持にとても役に立っていますが、士農工商の身分制度の上に成り立っていたということと、男性優位であった点が大きな特徴と言えるでしょう。加えて平和な社会背景のもとで生まれたことも西洋とは大きく異なっています。

特に男尊女卑的性格が濃厚で、一家の主人としての家長は絶対権限を有し、年中行事を初め婚礼、葬儀、食事などほぼすべての面において男性優位であったようです。

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