コラム

2016-05-08

マナーうんちく話1216《しのび音漏らす夏は来ぬ》

「薫風自南来」。

新緑を愛で、爽やかな緑の風を思い切り感じることが出来る絶好の季節を迎えています。

「5月生まれは病気になりにくい」、つまり5月生まれの人は病気のリスクが最も低いと言われますが、なんとなく解る気がします。

また「春は花、夏は時鳥、秋は月、冬は雪」と詠まれていますが、春の花と同じくらい初夏を代表するは「時鳥(ホトトギス)」です。

春告げ鳥が「ウグイス」なら、夏を告げてくれる鳥は「ホトトギス」です。

人知れず声をひそめて鳴くことを「しのび音」と表現しますが、ホトトギスの鳴き声は結構けたたましく聞こえます。

そして、その年に始めて鳴くホトトギスの忍び音は、平安時代から多くの人が待ち焦がれていたようです。

他の人よりも早くホトトギスの忍び音を聞くために、徹夜して構えていた人も多かったと言われています。

また、多くの著名人が時鳥を詠んでいますが、《卯の花の 匂う垣根に 時鳥早も来鳴きて しのび音漏らす 夏はきぬ》という有名な唱歌があります。

一方神道の世界には「偲び手」と言う言葉があります。
神道の葬儀の際に行われる柏手の打ち方です。

「二礼・二拍手・一礼」もしく「二拝・二拍手・一拝」と言われますが、玉串奉奠の後に二礼二拍手一礼を行いますが、この時は「しのび手」で拍手を行います。つまり、葬儀の際は音をたてないと言うことです。

仏教の「合唱」に当たると認識頂ければいいでしょう。

ちなみに、通常の「拍手」は神への敬意を表し音を出しますが、故人を偲ぶ「しのび手」は音を出さずに手を合わせます。

拍手をする時の左手は霊で、右手は自分だとされています。
だから左手を上に、右手をやや下げて手を合わせばいいでしょう。

「忍ぶ」には人から気付かれないようにする意味があり、「偲ぶ」は過ぎ去った物事や人などを懐かしい気持ちで思い出すと言う意味があります。

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