コラム

 公開日: 2016-03-06 

マナーうんちく話1175《「飽食」vs「勿体ない精神」》

ユネスコの無形文化遺産に登録され、世界から熱い視線が注がれている和食ですが、相変わらず日本の食事情は思わしくありませんね。

「生きることは食べること」ですが、豊かになり過ぎたせいでしょか?
食の安心・安全にはとても敏感ですが、お世辞にも「賢くて楽しい食べ方」ではないようです。

以前発覚した消費期限切れ食品の横流し事件は、食品が消費者の胃袋に入るまでに多くの食品が廃棄されている現実を、改めて思い起こされた気がします。

その背景にあるのは、不必要に食の安心・安全のみを追い求める、消費者を意識した商習慣でしょう・・・。

消費期限や賞味期限の数値がどのように決められるのかは良く解りませんが、数値にのみ敏感になるのもおかしな話です。

自分の目で見て、臭いを嗅ぎ、味を感じて、食べられるか否か判断することも大切ではないでしょうか?
残留農薬、有機食品、遺伝子組み換え食品しかりでしょう。

日本は世界屈指の「飽食の国」ですが、本当に今の日本人にとって、身体に良くない食べ方は「孤食、欠食、個食、固食、濃食、粉食」等で、特に塩分や糖分のとり過ぎは深刻です。

これに「食べ過ぎ」が加わるから、さらに生活習慣病が多くなります。
外食や出来合い料理ばかりに依存するのもどうかとおもいます。
また、「柔らかい」=「美味しい」という図式も考えものです。

ところで、江戸時代は今のように台所事情も良くなく、独身男性が多かったせいで「外食文化」が栄えました。

今と異なる点は、それらの料理は全て旬の食材で、全て手作りだったということです。

つまり外食であっても、旬の食べ物ですから理にかなった栄養が摂取でき、季節も感じることが出来るので、それに連れ店も活気づいてきます。
外食も家庭料理も同じと言うことです。

加えて、うどん、そば、すし、天婦羅、うなぎ、おでん、丼物などを扱う様々な店が出現してくると、当然競争の原理も生まれ、企業努力をするようになります。

旬にこだわるのは当然の理屈になってきますが、こうなると客も口が肥えてきます。そして、味のみならず、「おもてなし」というサービスにまで心配りをするようになってくるわけですね。

季節性、豊富な食材、豊かな精神文化、年中行事との深い関わり・・・。
ユネスコの無形文化遺産に登録された和食の原型は、この時に確立されたと言ってもいいでしょう。

そこにはまだ、充分食べられる食品の廃棄という考えはありません。
それより、大根の葉っぱ一枚まで大切にした「勿体ない精神」です。

世界に目を向けると、多くの人々が飢餓に苦しんでいるのにもかかわらず、これだけ多くの食品廃棄物を出し続けている日本人は、どんなに物質的に豊かになっても、便利になっても、決して幸せにはなれないでしょう。

今年も学校、教育委員会、地域団体、女性団体、病院等から食に関する講演依頼を多くいただいておりますが、一人でも多くの方に「賢くて美しい食べ方」をお伝えできれば嬉しい限りです。

この記事を書いたプロ

人づくり、生きがいづくりプロジェクトの岡山ハッピーコミュニケーション

マナー講師 平松幹夫

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