コラム

2016-01-30

マナーうんちく話1144《「赤い糸」と「月下氷人」》

記録的な寒波により、水道管が凍結して断水するなど、甚大な被害が発生していますが、季節はまさに「水沢腹堅(さわみずこおりつめる)」で、沢の水に氷が張る頃です。

「沢」とは、水が浅くたまって草が生えている湿地を意味し、その沢が寒さのために氷が張る季節で、厳しい寒さを体感させられる時ですね。

しかし先人は寒さに震えるばかりではなく、逆に氷が張った美しい風景を、美しい言葉で見事に表現しています。

周りの風景を写すような氷は「氷面鏡(ひもかがみ)」と名付けました。
水面に物の形が映ることを「水鏡」と言いますが、氷の鏡もまた格別です。

そして氷の面にできる様々な模様は「氷紋」といい、氷が滑るようすを表現したのが「氷柱(つらら)」です。

昔の人は、氷の美しい姿を称えて、それに相応しい美しい言葉を作りましたが、氷の字を使用した諺も沢山あります。
「月下氷人」という言葉は、絆が希薄化した今、ぜひ参考にしたいものです。

私がホテル業界に入りたての頃の結婚式には、殆どのカップルに「仲人」がいて、神前式で結婚式を挙げ、記念写真を撮って、披露宴というのが決まり文句でした。

そして披露宴の冒頭に司会者から仲人が紹介される時に、「このお目出度い結婚式に当たり《月下氷人》の大役を務められた○○様を紹介します」となります。

今では仲人もいなくなり、この言葉を聞く機会は本当に少なくなりましたが、こんな時代だからこそ是非、思い起こして頂きたいものです。

「月下」とは、「月下老人」のことです。
旅人が月の下で袋に持たれている老人に出会い、その人に「何をしているのか」と問うと、「この袋の中にある赤い糸を男女の足に絡ませると、どんなに憎み合っていてもその二人は結ばれる」と言われた故事で、現在「結婚する二人は赤い糸で結ばれている」という伝説の元になっている物語です。

「氷人」とは、氷の上に立って、氷の上の人と氷の下の人と話をした夢を見て、その夢を占い師に占ってもらった人のことです。

氷の上は陽で男性、氷の下は陰で女性を表し、男女の間に入って話をしたのだから、「やがて結婚のお世話をするようになる」と言われたわけです。

つまり「月下氷人」とは「月下老人」と「氷人」の合成語で、結婚の媒酌人を指す中国由来の言葉です。
日本でも縁結びの神様は沢山存在しますが、どこの国でも同じですね。

最近、結婚する際、仲人をお願いすることはめんどくさいとか、余分なお金がかかると言う理由で敬遠する人が多いようですが、仲人は二人を結ぶとても大切な役割をしてくれます。

また、離婚が増加していますが、夫婦が危機に陥った時には、真っ先に相談相手になり、問題解決へと導いてくれます。

少子化対策が叫ばれる中、仲人や結納の意味や意義を再度思い起こしてほしいものです。「仲人」も「結納の儀式」も、カップル及び両家の絆を作り、深めるために、とても大事なモノだと思います。

神様(神道)・仏様(仏教)の国で、キリスト教スタイルの挙式が広まる一方、新郎新婦及び両家の絆作りに奔走する仲人がいなくなるなど、首をかしげることが多くなった気がしてなりません。

冠婚葬祭講座や婚活セミナーなどでは詳しくお話しするのですが、その意義や意味を正しく認識されている人があまりにも少ないことに驚きます。

めんどうくさくて、窮屈で、手間暇をかけるから、本当の意味において絆が生まれ、深まるわけです。

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