コラム

 公開日: 2010-12-22  最終更新日: 2012-04-20

マナーうんちく話30≪冬至と年末・年始行事の知識≫


マナーうんちく話30《冬至と年末・年始行事に関する知識》

12月22日は24節季の一つ「冬至」です。
夜が最も長くなる日ですね。
街や山から色が失せてくるこの時期に、
椿や水仙の赤や黄色の凛とした色に気高さを感じます。

冬至には《カボチャを食し、ゆず湯につかるしきたり》がありますが、
その由来に少しふれておきます。

先ず「カボチャ」ですが、冬至に「ん」の付くものを食べると幸運に恵まれるという言い伝えがあります。カボチャは「南京(なんきん)」です。夏の土用に「う」の付くものを食べるのと似ていますね。

次に「ユズ」ですが、ユズはその香りの強さから、邪気を払うといわれております。端午の節句の「菖蒲湯」と似ています。また「融通」が良くなる願いもあります。

栄養学的にも、昔は今と異なりこの季節には野菜が限られていたので、ビタミンA・カロチンを多く含み保存性の高いカボチャをこの時期まで蓄えていたのでしょうね。我が家でも夏に収穫したカボチャがまだ沢山残っています。

一方ユズはビタミンCが多く含まれているのと、芳香性が高いのでリラックス効果が期待できます。美肌効果もあり冷え性にもよく効きますよ。料理に多くつかわれます。

元フレンチレストランマネージャーとして「ユズの効率的な使い方」を紹介します。
ユズ2個をレモン絞り器でしっかり絞り、その汁(ユズジュース)に、大匙2杯の蜂蜜を入れ、熱湯を注ぎます。「ユズネード」の完成です。「美」と「健康」に最高のドリンクです。その残りのユズをガーゼか布製の袋に入れお風呂に浮かべて「ユズ湯」をお楽しみください。

それでは「コラム29」の続きです。

マナーとか礼儀・作法は、その大前提が「感謝の心」「尊敬の心」「思いやりの心」だと思いますが、それを具体的に表現する方法は、その国々や地域における歴史・風土・国民性・宗教等によりかなり異なります。また不易流行的な側面もあります。特に宗教は多大な影響を及ぼしています。

これから、「日本人を実感させる年末・年始のしきたり・礼儀・作法」について触れて行く予定ですが、それらをより明確にご理解いただくために、ここでは日本の、「しきたり」「宗教」「民族の特性」などについて簡単に触れてみたいと思います。

しきたりとは
しきたりとは早い話、前々からそのようにしてきた社会の「決まり事」です。
長い月日をかけ築き、育まれ、重んじられてきた集団生活における決まり事(慣習)で、人が共同生活を円滑に行うためにとても大切なものです。知らなければ相手に対しても失礼になります。ある面においては民主主義の元祖と呼べるのではないかと思います。

また、「しきたり」と「礼儀・作法」とは良く似ている感じを受けますが、微妙な違いがあります。私は長い間ホテルでブライダルの仕事にも携わっていましたので、「結婚」を例にとり具体的に説明いたします。あくまで「平松流」の解釈です。予めご了承ください。

太郎と花子が結婚するにあたり、結納を交わしますが、この結納を交わすことは「しきたり」です。そして結納を交わす時に、相手の都合を伺ったり、キチンと正装して結納の儀式に望んだり、終了後は世話役にお礼に伺ったりするのが「礼儀・作法」だと思います。

最近はとかく「しきたり」や「礼儀・作法」は、面倒で、お金もかかるからと言って敬遠されがちですが、長い時間をかけ、築き、育み、重んじられてきたことには多かれ少なかれそれなりの合理的な理由が存在します。結納しかりです。「結納」とは、結婚という素晴らしい縁を《結》び、それを互いに喜びあい、お祝いの品物を《納》めあうことです。確かにお金もかかるし、互いに行き来しあうので手間暇もかかり、何かと面倒です。
しかし、それを実行することで、その間において、相手に思いやりの心を持つことができ、さらに相手をより理解でき、相手とより仲良くなるという普遍的な価値があります。

お金をかけて行う結納時の食事には、あなたのことをもっと理解したい、あなたともっと仲良くなりたいという意味があります。面倒ではなく、しきたりがあるからスムーズにいくのです。「正月に関するしきたりのあれこれ」もそのように捉えていただければ幸いです。

日本人と宗教
日本は文部科学省の宗教統計によると、神道系が約1億700万人、仏教系約9800万人で、はるかに日本の人口をオーバーします。神社の氏子であり、お寺の檀家である人が多いということです。初詣、結婚式、7・5・3等は神社で行い、葬式は仏教で行うという、複数の宗教によって儀礼をおこなっているというのは周知の通りです。そして現在ではお祝い事は神社で、葬儀などの不祝儀はお寺でというのがすっかり定着しています。

特に正月に縁が深い神道は、神社を中心とする信仰で、昔から日本人の心のよりどころになっていましたが明確な教義は存在しません。しかし「八百万(やおろず)の神」といわれるように、{非常に多くの神様が至る所に存在し、さらにそれらの神様方は様々な役割を持たれている}という独特の宗教観があります。そしてすべてが信仰の対象になります。商売繁盛、病気治癒、結婚成就、合格祈願等など何でもござれですね。ここが大きな特徴です。

盆と正月の捉え方
盆は仏様の里帰りです。
※お盆についてはこのコラム欄で8月に掲載しています。参考にして下さい。
それに対し、正月は「年神様」と呼ばれるご先祖の霊の里帰りです。お盆には仏様が迷わずお帰りになるために「迎え火」を焚きますが、正月にはご先祖がお帰りになる目印として「門松」を用意します。よく役所が紙に印刷した門松を配布してくれますが、どの門松も全く同じであったら目印にはならないと思います。経費節約、気は心でしょうか?

そしてこの意味から言えば、盆と正月は同じような行事だという感じがします。
どこが違うかと言えば、盆はまだなくなられて年数がそんなに経過してない仏様、正月は亡くなられて33年以上経過して神様になられたご先祖様の里帰りということでしょうか。
※33と言う数字は一応の目安ですが・色々な捉え方があるようです。

日本は元をただせば農耕民族
正月の行事を理解して頂く上でもう一つ重要なことがあります。
それは日本人が「農耕民族」であるということです。米の国だということです。勿論米を栽培している国は世界中で100カ国以上あると思いますが日本は特別な存在です。しきたりもそもそも、米を栽培するに当たり、皆が互いに助け合い、協力し合い、英知を出し合って行うところから派生してきたといわれている所以です。そして、昨年の豊作を神に感謝するとともに、今年も豊作になってほしいという願いを込めて、身を清めて新年を迎えます。
正月を迎えるための品物は、米にまつわるもの(稲・藁・餅など)が多いのは、ほかならぬ稲作信仰によるものだと考えられています。

正月にお迎えする年神様を、「先祖霊」と「穀霊」と捉える捉え方もあります。

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